九州では、産業支援機関が地域ステークホルダーと連携して中小企業等への知的財産支援を行う事業に対する補助金。拡充型事業(申請区分A)は補助率1/2・上限1千万円、構築型事業(申請区分B)は定額・上限5百万円を補助。都道府県の中小企業支援センター、金融機関、商工会議所、大学等が対象。地域の知的財産支援強化と地域経済活性化を目指す。本記事では、制度の概要・補助率・対象経費・申請スケジュール・注意点までを公募要領ベースで整理してお届けします。
- 実施機関
- 九州経済産業局
- 対象地域
- 九州
- 受付期間
- 2026-04-01〜2026-05-08
- 事業実施期間
- 交付決定日~令和9年3月31日まで
- 補助上限額
- 1,000万円
- 補助率
- 地域中小企業支援拡充型事業(申請区分A):補助対象経費の1/2以内、地域中小企業支援構築型事業(申請区分B):定額
制度の目的と背景
産業支援機関が地域ステークホルダーと連携した中小企業等への知的財産支援施策を拡充させる事業及び地域ステークホルダーと連携した中小企業等に対する知的財産支援の先導的な施策を構築させる取組を定着させる事業の実施に要する経費を補助することにより、中小企業等による知的財産の保護・活用を促進することを目的としています。
補助率と上限額
本補助金の補助率と上限額は以下のとおりです。
◼︎ 補助率
地域中小企業支援拡充型事業(申請区分A):補助対象経費の1/2以内、地域中小企業支援構築型事業(申請区分B):定額
◼︎ 補助上限額
1,000万円
◼︎ 内訳・支援枠
地域中小企業支援拡充型事業(申請区分A): 上限1千万円・補助率1/2以内、地域中小企業支援構築型事業(申請区分B): 上限5百万円・定額
対象となる事業者
本補助金の対象となる事業者は以下のとおりです。申請前に自社が要件を満たしているかご確認ください。
- 日本に拠点を有し、法人格(内国法人格)を有していること
- 事業の管理運営について責任をもって実施する事業者であること
- 本事業を的確に遂行する組織、人員、能力等を有していること
- 本事業を円滑に遂行するために必要な経営基盤を有し、かつ、資金等について十分な管理能力を有していること
- 経済産業省からの補助金交付等停止措置又は指名停止措置が講じられている者ではないこと
- 経済産業省におけるEBPMに関する取組に協力すること
- 地域ステークホルダーとの連携を必須とする産業支援機関(都道府県の中小企業支援センター、金融機関、商工会・商工会議所、公益財団法人・公益社団法人、一般財団法人・一般社団法人、地方独立行政法人、中小機構、JETRO、産総研、大学・TLO・高等専門学校)
- 申請者の主たる事務所の所在地が九州経済産業局の所轄地域にあること
対象経費
補助対象となる経費は以下のとおりです。公募要領で定める範囲を超える経費は対象外となるため、申請時には個別に確認してください。
- 人件費:事業に直接従事する職員の直接作業時間に対する人件費
- 謝金:事業を行うために必要な謝金(会議・講演会・シンポジウム等に出席した外部専門家等に対する謝金、講演・原稿の執筆・研究協力等に対する謝金等)
- 旅費:事業を行うために必要な事業に直接従事する者・専門家等の国内出張及び海外出張に係る経費
- 消耗品費:事業を行うために必要な物品であって、1件あたりの購入金額が20万円未満かつ使用可能期間が1年未満のものの購入に要する経費
- 文献購入費:事業を行うために必要な知識、情報等を得るために購入した文献、書籍等の購入、情報検索費、コピー等に要する経費
- 印刷製本費:事業を行うために必要なパンフレット・リーフレット、事業成果報告書等の印刷製本に関する経費
- 通信運搬費:事業を行うために必要な郵便、運送、通信等に要する経費(ただし、電話代・インターネット利用料金は補助対象外)
- 借料・損料:事業を行うために必要な機械器具等のリース・レンタルに要する経費
- 会議費:事業を行うために必要な会議、講演会、シンポジウム、展示会等に要する経費(会場借料、機材借料及び茶菓料(お茶代)等)
- 補助員人件費:事業を実施するために必要な補助員(アルバイト等)に係る経費
- 広報費:事業を行うために必要な広報媒体等を活用するために必要な経費
- 外注費:補助事業者が直接実施することができないもの又は適当でないものについて、他の事業者に外注するために必要な経費(請負契約)
- 委託費:補助事業者が直接実施することができないもの又は適当でないものについて、他の事業者に行わせるために必要な経費(委託契約)。ただし、事業の全部を委託することはできません
◼︎ 対象外となる経費・事項
- 建物等施設に関する経費
- 事業内容に照らして当然備えているべき機器・備品等(机、椅子、書棚等の什器類、事務機器等)
- 事業実施中に発生した事故・災害の処理のための経費(ただし、補助事業者に帰責性のない事由に基づき生じたキャンセル料等は直接経費として計上できる場合がある)
- その他事業に関係ない経費
- 電話代・インターネット利用料金(通信運搬費に含む)
- 九州経済産業局から補助金の交付決定を通知する前において、発注等を完成させた経費
申請スケジュール
受付期間は2026-04-01から2026-05-08までです。事業実施期間は交付決定日~令和9年3月31日までとなっています。スケジュールがタイトなため、検討中の事業者は早めに準備を始めることをおすすめします。
審査のポイント
審査では、以下の観点から事業計画が評価されます。申請書の記載にあたっては、これらの項目を意識して具体的な内容を盛り込むことが重要です。
- ◼︎ 要件審査:申請者が応募資格を満たしているか、提案内容の目的が補助事業の目的に合致しているか、地域ステークホルダーと連携した取組であるか、産業支援機関が既に実施している支援施策であるか(申請区分がAの場合)を審査する。いずれかが不適の場合は不採択となる基本要件。
- ◼︎ 事業内容の審査:地域の強みや産業特性等を踏まえた取組であるか、地域の自立的な知的財産支援の強化につながることが見込まれる取組であるか、先導的または先進的な取組であり同様の条件や課題を抱えた他の地域の取組の模範・参考となり得るか、地域経済の活性化向上につながることが見込まれる取組であるか、上記取組を当該地域に拡充・構築させる方法・スケジュール・実現可能性が具体的に示された事業となっているか、事業の目標や目指す方向性を踏まえたうえで事業内容が具体的に示され効果的かつ現実的な事業となっているか、補助金申請額が補助事業の目標や内容と照らして妥当かつ効率的なものとなっているかを総合的に評価する。
◼︎ 加点項目
以下のいずれかに該当する事業者は、審査において加点の対象となります。
- 賃上げ実施企業に対する補助金上の優遇:中小企業等において「給与総額」を対前年度(又は対前年)に比べ2.5%以上とする旨を様式3誓約書・表明書により表明した場合、加点する
- ワーク・ライフ・バランスの取組に対する補助金上の優遇:女性活躍推進法に基づく認定(えるぼし認定企業・プラチナえるぼし認定企業)、女性活躍推進法に基づく行動計画を策定し専用サイトで公表している企業(常用雇用する労働者の数が100人以下の事業主に限る)、次世代育成支援対策推進法に基づく認定(くるみん認定企業・トライくるみん認定企業・プラチナくるみん認定企業)、次世代育成支援対策推進法第12条に基づく行動計画を策定し専用サイトで公表している企業(常用雇用する労働者の数が100人以下の事業主に限る)、青少年の雇用の促進に関する法律に基づく認定(ユースエール認定)のいずれかの認定証等の写しを提出した場合、加点する
活用にあたっての注意点
本補助金を活用するにあたり、特に留意しておきたいポイントは以下のとおりです。
- 本事業は令和8年度予算に係る事業であることから、予算の成立以前においては採択予定者の決定となり、予算の成立等をもって採択者とすることとする
- 補助金に関係する全ての提出書類において、いかなる理由があってもその内容に虚偽の記述を行わないこと
- 偽りその他不正な手段により補助金を不正に受給した疑いがある場合には現地調査等を実施し、不正行為が認められたときは交付決定の取消を行うとともに受領済の補助金のうち取消対象となった額に加算金(年10.95%の利率)を加えた額を返還する
- 地域ステークホルダーとの連携による取組であること(コンソーシアム形式である必要はない)が必須
- 申請者の主たる事務所の所在地が九州経済産業局の所轄地域にあることが必須
- コンソーシアム形式による応募も認めるが、その場合は幹事法人(申請者)を決めて幹事法人が応募書類を提出し、幹事法人が業務の全てを他の法人に委託することはできない
- 申請区分がAの場合、産業支援機関が既に実施している支援施策であることが確認できるもの(パンフレット等)の提出が必要
- 消費税等は補助対象経費から除外して補助金額を算定し交付申請書を提出する(一部例外あり)
- 契約金額100万円未満のものを除き、経済産業省から補助金交付等停止措置又は指名停止措置が講じられている事業者を契約の相手方とすることは原則できない
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