北海道では、北海道の中小企業者等が道内の地域資源を活用した新商品・新サービスの開発から販路開拓まで、または本格開発着手前の事前検証・検査・分析に対して助成する。地域資源活用型は上限150万円・補助率1/2、製品開発チャレンジは上限50万円・補助率1/2で支援。道内に主たる事務所または事業所を有する中小企業者等が対象。本記事では、制度の概要・補助率・対象経費・申請スケジュール・注意点までを公募要領ベースで整理してお届けします。
- 実施機関
- 公益財団法人北海道中小企業総合支援センター
- 対象地域
- 北海道
- 受付期間
- 2026-04-01〜2026-05-22
- 事業実施期間
- 助成金交付決定日から1年以内
- 補助上限額
- 150万円
- 補助率
- 地域資源活用型事業化実現事業: 1/2以内、製品開発チャレンジ支援事業: 1/2以内
制度の目的と背景
公益財団法人北海道中小企業総合支援センターは、独立行政法人中小企業基盤整備機構、北海道、札幌市、道内金融機関より資金の提供を受けて「北海道中小企業新応援ファンド」を組成し、道内における新たな産業の創出や事業化に向けた取り組みに助成金を交付する「創業促進支援事業」、「地域資源活用型事業化実現事業」、「製品開発チャレンジ支援事業」の三種類の助成金交付事業を実施しています。
補助率と上限額
本補助金の補助率と上限額は以下のとおりです。支援枠や取り組み内容によって金額が分かれているため、自社の計画に応じて確認が必要です。
◼︎ 補助率
地域資源活用型事業化実現事業: 1/2以内、製品開発チャレンジ支援事業: 1/2以内
◼︎ 補助上限額
150万円
◼︎ 内訳・支援枠
地域資源活用型事業化実現事業: 上限150万円・補助率1/2以内(地域資源を活用または農商工連携による新商品・新サービスの開発から販路開拓まで)、製品開発チャレンジ支援事業: 上限50万円・補助率1/2以内(本格開発着手前の事業構想の実現に向けた事前検証・検査・分析)
対象となる事業者
本補助金の対象となる事業者は以下のとおりです。申請前に自社が要件を満たしているかご確認ください。
- 独立行政法人中小企業基盤整備機構法第2条第1項(第1号から第5号に限る)に規定する中小企業者で道内に主たる事務所または事業所を有するもの
- 卸売業:資本金1億円以下かつ従業員100人以下
- サービス業:資本金5000万円以下かつ従業員100人以下
- 小売業:資本金5000万円以下かつ従業員50人以下
- ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く):資本金3億円以下かつ従業員900人以下
- ソフトウエア業・情報処理サービス業:資本金3億円以下かつ従業員300人以下
- 旅館業:資本金5000万円以下かつ従業員200人以下
- 製造業・建設業・運輸業及び上記以外の業種:資本金3億円以下かつ従業員300人以下
- 中小企業団体の組織に関する法律第3条第1項に規定する事業協同組合、事業協同小組合、協同組合連合会、企業組合、協業組合、商工組合
- 農商工等連携事業計画認定事業者(地域資源活用型事業化実現事業のみ)
- 道外本社の中小企業者については、道内事業所について支店登記がなされ、道内事業所名義での申請かつ支配人登記等により意思が明確で、道内事業所が生産・開発等の拠点となっており、道内事業所で独自の経理処理がなされ、助成金の使途が道内事業所の事業に係るもので、助成の成果を引き続き道内事業所で利用するもの
対象経費
補助対象となる経費は以下のとおりです。公募要領で定める範囲を超える経費は対象外となるため、申請時には個別に確認してください。
- 原材料・副材料費:試作・改良、デザイン等の改善等に直接使用する主要原材料、主要材料および副材料の購入費(販売目的または商品仕入とみなされるものは対象外、受払簿・配布先リストの作成・管理が必要)
- 治具・工具費:工作物を固定して切削工具を工作物に正しく当てて正確・迅速に加工するために用いる道具および工作に用いる器具の購入費(試作用途以外不可、中古品対象外)
- 機械装置等購入費(試作用):商品・サービスの開発に必要な機械装置等の購入費(パソコン等汎用機器除く、試作用途以外不可、中古品対象外)
- 機械装置等の借料:商品・サービスの開発に必要な機械装置等のレンタル料・リース料(助成事業に限定して使用されることが明確に特定できるもの)
- 外注費:商品・サービスの開発に必要な業務の一部を外注するための経費(試作用途以外の依頼分は対象外)
- デザイン開発費:材質、美的造形性などの諸要素と生産・消費面からの各種要求を検討する総合的造形計画を策定するための経費(商品パッケージ、ロゴマーク等のデザイン依頼費用等)
- プログラム開発費:コンピュータに対する指示プログラムを開発するための外部への委託費(販売目的あるいは利用料徴収目的等の場合は対象外)
- 技術導入費:特許導入に伴う技術指導、製品・サービス開発のための外部からの技術指導、大学等との共同研究等の経費(指導計画の内容検討後の契約締結、成果物として報告書作成・提出が必要)
- 試験(検査)依頼費:商品・サービスの開発に関する試作・改良に係る試験、検査等を専門機関等に依頼する経費(資格・認証等の取得や更新目的、取引先の求めによるもの等は対象外)
- 産業財産権等取得費:特許権、実用新案権、意匠権、商標権等を取得するための弁理士への手続き代行費用および翻訳料等(助成対象経費の上限500千円、助成金の上限250千円、助成事業期間内に出願手続および費用支払完了が必要)
- 特許実施費:商品・サービスの開発等に当たり特許を使用するための一時金(助成対象経費の上限500千円、助成金の上限250千円)
- 先行技術調査費:他者が所有する特許・実用新案・意匠に関する過去の出願内容を調査分析するための経費
- 職員旅費:役員および従業員が商品やサービスの開発に係る大学や企業・試験研究機関等との打ち合わせや展示会・見本市等へ参加するための往復の交通費及び滞在費(経済合理性及び合理的な経路が必要、グリーン車利用料金等は対象外)
- 通信運搬費:新商品開発事業の遂行のために必要な郵便代・運送料(発送内容の報告が必要、切手の購入費用は対象外)
- 出展料:展示会・見本市等の出展費用(主催者又は運営者が営利を目的としない団体、単独かつ専用の展示スペース確保、販売を伴うもの等は対象外)
- 展示工事費:展示会・見本市等の出展に係る小間の装飾、備品のレンタル、電気工事などの経費
- パネル等作成費:新商品・サービスの説明パネル及び模型の作成費用、PR動画等の製作費、その他必要な機材導入経費(活用が確認できるもの)
- 輸送費:車や飛行機などで展示する製品等を送るために要する経費
- 印刷製本費(パンフレット印刷費):新商品・サービスの販路開拓に使用するパンフレット等の印刷費(受払簿を作成し配布先を特定する必要、名刺印刷は対象外)
- 広告宣伝費:新聞・雑誌・SNS等への広告掲載、TV・ラジオCMなどでの広告、自社ホームページ(ECサイト含む)の制作等(助成事業に係るもので助成事業期間内の広告に限る、掲載内容および時期がわかる資料の提出が必要)
- 共同研究費(製品開発チャレンジ支援事業のみ):大学等との共同研究契約等に基づく中小企業者等が負担する直接経費
◼︎ 対象外となる経費・事項
- 各経費のうち消費税等の税金、支払に係る金融機関への振込手数料
- 助成事業期間中に発注(契約)、納品、請求、支払の全てが完了していない経費
- 購入品や賃借物等が未使用のもの(未使用の原材料、未配布のパンフレット、未使用の機器、未使用の借部屋等)
- 助成事業のみに用途を限定することが困難なものに要する経費(パソコン等の汎用機器など)
- 必要以上の性能・仕様で過度に高額なものに要する経費
- 資金移動が伴わない方法により決済された経費(ポイント等による支払い、相殺など)
- クレジットカード(決済日が助成事業期間外の場合)・手形・小切手により支払われた経費
- 助成事業者の支払いと判定できない経費(法人代表者名義クレジットカード払い、立替払い、多額の現金支払いなど)
- 親会社、子会社、その他持株基準・支配力基準に照らし助成事業者と一体とみなされる企業等との取引の経費
- 源泉徴収を要する場合で、当該処理が未済の場合
- 販売目的または商品仕入とみなされる経費
- 試作用途以外に使用される経費
- 中古品の購入費
- パソコン等の汎用機器
- 他の用途(私用、営業、販売、生産等)との併用となっている旅費
- 鉄道のグリーン車利用料金、飛行機のファーストクラス・ビジネスクラス・プレミアムシート料金等
- タクシー代、ガソリン代、高速道路通行料金、レンタカー代、駐車場代等の公共交通機関以外の利用料
- 旅行代理店の手数料、日当、食卓料
- 切手の購入費用
- 販売を伴うもの(百貨店催事)
- 国または道の補助金が措置されている展示会等
- 取引先等が自社の取り扱い商品のPR等を目的として主催する展示会等
- 他者との共同出展
- 名刺印刷
- 資格・認証等の取得や更新を目的としたもの
- 取引先の求めによるもの
- ソフトウエアや機器の操作習得目的の技術指導
- 取引先による研修
- 助成事業者に権利が帰属しない産業財産権取得費
- 他者が保有する権利の買取費用
- 特許庁に納付される経費(特許出願手数料、審査請求料及び特許料等)
- 拒絶査定に対する審査請求又は訴訟を行う場合に要する経費
申請スケジュール
受付期間は2026-04-01から2026-05-22までです。事業実施期間は助成金交付決定日から1年以内となっています。スケジュールがタイトなため、検討中の事業者は早めに準備を始めることをおすすめします。
審査のポイント
審査では、以下の観点から事業計画が評価されます。申請書の記載にあたっては、これらの項目を意識して具体的な内容を盛り込むことが重要です。
- ◼︎ 事業化プロセスの明確度:新商品・新サービスの開発から事業化に至るまでの各段階における計画の具体性、実現可能性、論理的な整合性が評価される。開発スケジュール、必要なリソース、技術的課題の解決方法、市場投入のタイミングなどが明確に示されているかが重要なポイントとなる。
- ◼︎ 事業遂行力:申請企業の技術力、組織体制、過去の実績、財務状況等から、計画された事業を確実に遂行できる能力があるかが評価される。特に開発に必要な人材・設備・資金の確保状況、プロジェクト管理能力、外部機関との連携体制などが審査される。
- ◼︎ 市場性・成長性:開発する商品・サービスの市場規模、競合状況、差別化要素、収益性などの市場分析の妥当性が評価される。ターゲット市場の明確化、競合優位性の根拠、売上・利益予測の妥当性、市場拡大の可能性などが重要な審査ポイントとなる。
- ◼︎ 社会性(地域産業振興効果、雇用創出効果):北海道の地域産業振興や雇用創出にどの程度貢献できるかが評価される。地域資源の活用度、地域企業との連携効果、新規雇用の創出見込み、地域経済への波及効果、技術・ノウハウの地域への蓄積などが審査される。
- ◼︎ 新規性:開発する商品・サービスの技術的新規性、市場における新規性が評価される。既存技術・商品との差別化ポイント、技術的優位性、特許等の知的財産権の取得可能性、業界における革新性などが重要な審査要素となる。
- ◼︎ 活用する地域資源の妥当性(地域資源活用型事業化実現事業に限る):北海道の地域特産物である農林水産物・鉱工業品、地域の特産物である鉱工業品の生産技術、文化財・自然の風景地・温泉その他の観光資源の活用度と妥当性が評価される。地域資源の特性を活かした商品・サービス設計、地域との連携体制、地域ブランド価値の向上効果などが審査される。
- ◼︎ 有機的な連携(農商工等連携の場合):農業者と商工業者等の異なる分野の事業者間の連携が、単なる取引関係を超えて、相互の経営資源を有効活用し、新たな付加価値を創出できる有機的な連携になっているかが評価される。各事業者の役割分担、連携による相乗効果、リスク分担などが審査される。
- ◼︎ 組織・協力体制(農商工等連携の場合):農商工等連携を推進するための組織体制、意思決定プロセス、情報共有体制、品質管理体制などが適切に構築されているかが評価される。連携事業者間の協定内容、プロジェクト推進体制、外部支援機関との連携などが重要な審査ポイントとなる。
活用にあたっての注意点
本補助金を活用するにあたり、特に留意しておきたいポイントは以下のとおりです。
- 北海道中小企業新応援ファンド事業の助成金交付事業は、同一年度に複数利用(申請)できない
- 助成事業期間が複数年度にまたがる事業の二年度目の場合、助成事業期間が重複しない範囲で利用できる
- 当該年度において、助成事業の内容の全部または一部を対象として、国または北海道の他の補助金・助成金と重複利用できない
- 市町村又は公益法人等の補助金・助成金と重複利用する場合、当該事業による補助・助成金額と本事業による助成金額との合計が本事業による助成対象経費を超えるときは、超過部分の助成金相当額を減額する
- 助成事業期間中に当該事業にて開発する製品・サービスを用いて収益が生じた場合は、補助金の全部または一部の返還を求める場合がある
- 申請書類は原則、センターホームページ内申請フォームに添付のうえ提出が必要
- 地域資源活用型事業化実現事業については書面審査又はオンラインミーティングによるプレゼン審査を予定
- 製品開発チャレンジ支援事業については書面審査のみ実施(応募者のプレゼン等はなし)
- 大企業の子会社および大企業の実質支配化にある中小企業者は対象外
- 資本金の額または出資の総額に占める国(独立行政法人を含む)及び地方公共団体の出資の合計額の割合が4分の1以上の中小企業者は対象外
- 公序良俗に反するものや風俗営業等、直近3事業年度の国税・地方税・社会保険料を完納していないもの、宗教活動や政治活動を目的としているもの、暴力団関係者は応募不可
- 助成事業者が受託により行う製品開発等は助成の対象外
- 助成事業者が現に販売・提供している製品・サービスの販路開拓のみを行う事業は対象外(ただし国等の補助金で開発した製品・サービスの販路開拓は可)
- 助成金交付決定日以降に発注した経費が助成対象経費となる(原則)
- 経費支出計画の変更は無条件ではできない(審査の対象であるため)
- 助成対象経費の合計額が計画より20%超増加・減少する場合及び各助成事業の内容を変更する場合は、予めセンターの承認が必要
- 事業完了日から30日以内に事業実績報告書及び必要書類を提出する必要がある
- 事業終了後5ヵ年の間、各年度末における事業活動状況報告書の提出義務がある
- 助成事業によって取得した財産については善良なる管理者の注意をもって適切に管理し、一定期間においてその処分等に承認が必要
- 会計検査院による会計検査が行われる場合がある
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