福岡県では、福岡県内に事業所を有する中小企業者等が行う脱炭素社会実現のための省エネにつながる新製品開発を対象とし、補助率1/2以内、上限500万円で支援。事業終了後2年程度以内で上市が見込める製品開発を推奨。賃上げを行う場合は上乗せ補助(補助率2/3または3/4)もある。本記事では、制度の概要・補助率・対象経費・申請スケジュール・注意点までを公募要領ベースで整理してお届けします。
- 実施機関
- 福岡県 商工部 中小企業技術振興課
- 対象地域
- 福岡県
- 受付期間
- 2026-04-06〜2026-05-11
- 事業実施期間
- 交付決定後~令和9年3月1日(月)まで。交付決定前に行った発注等に係る支払い、および、事業完了日までに支払いが完了しなかった経費は補助対象外。
- 補助上限額
- 500万円
- 補助率
- 1/2以内(賃上げ応援補助金併用時は2/3または3/4)
制度の目的と背景
エネルギー価格の高騰に加え、脱炭素社会に向けた世界的な流れの中、県内ものづくり中小企業等が取り組む省エネにつながる新製品の開発及びその事業化を支援します。
補助率と上限額
本補助金の補助率と上限額は以下のとおりです。支援枠や取り組み内容によって金額が分かれているため、自社の計画に応じて確認が必要です。
◼︎ 補助率
1/2以内(賃上げ応援補助金併用時は2/3または3/4)
◼︎ 補助上限額
500万円
◼︎ 内訳・支援枠
通常枠: 上限500万円・補助率1/2、福岡県中小企業成長投資・賃上げ応援補助金併用時(30円以上60円未満の賃上げ): 上限666万6000円・補助率2/3、同併用時(60円以上の賃上げ): 上限750万円・補助率3/4
対象となる事業者
本補助金の対象となる事業者は以下のとおりです。申請前に自社が要件を満たしているかご確認ください。
- 県内に主たる事業実施場所となる事業所を有する中小企業者(個人事業者含む)
- 製造業・建設業・運輸業:資本金3億円以下又は従業員300人以下
- 卸売業:資本金1億円以下又は従業員100人以下
- サービス業:資本金5,000万円以下又は従業員100人以下
- 小売業:資本金5,000万円以下又は従業員50人以下
- その他の業種:資本金3億円以下又は従業員300人以下
- 中小企業等協同組合(事業協同組合、事業協同小組合、信用協同組合、協同組合連合会、企業組合)
- 中小企業者の役員等が暴力団、暴力団員又は暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有していないこと
対象経費
補助対象となる経費は以下のとおりです。公募要領で定める範囲を超える経費は対象外となるため、申請時には個別に確認してください。
- 材料・消耗品費:脱炭素社会実現のための省エネ新製品開発に必要となる試薬や工具等、自らが製作する試作機器の部材などの消耗品購入に要する経費。補助事業実施期間内において、実際に使用するものに限る
- 外注費:補助事業者以外の機関に対し、開発の根幹に属しない加工・評価試験等を外注する際の経費。工業技術センター等の公設試験研究機関や大学等との共同研究費、評価試験費。寄付金は対象外。加工の場合、図面・仕様書を提示して製作してもらうものが対象
- 人件費:本事業に直接従事する補助事業者の従業員等が開発業務に従事した人件費。原則として補助対象経費総額の50%を上限(条件によっては75%が上限)に補助対象経費とすることができる
- 外部講師受入費:共同開発者以外の外部専門家等による指導を受けるための謝金及び旅費等
- 旅費:補助事業者の従業員が開発を進める上で必要な調査や出張のために必要となる経費
- 機械装置費:開発を進める上で必要な、1件10万円(税込)以上かつ使用可能期間が1年以上の機材・物品の購入費。購入については、開発における必要性を精査して適否を判断。機械装置等は補助事業以外の目的に用いることはできない。1件50万円(税込)以上の機械装置等については処分の制限がかかる場合がある
- その他の経費:開発を進めるために必要な経費で、知事が特に必要と認める経費。展示会出展経費、産業財産権等取得経費等。補助対象経費総額の20%を上限に補助対象経費とすることができる
◼︎ 対象外となる経費・事項
- 材料・消耗品費:販売のためとみなされる原材料や商品仕入れに係る経費。汎用性の高い事務用品(文具、プリンター消耗品など)
- 外部講師受入費:茶菓子代や飲食費、交際接待費
- 旅費:グリーン車、ビジネスクラス等、特別に付加された料金。海外出張費
- 機械装置費:汎用性の高い電子機器(事務用パソコン・プリンター・文書作成ソフトウェア及びタブレット端末など)、量産のみを目的とする機械装置
- 銀行振込以外の支払いを行ったもの(ただし、公設試験研究機関での依頼試験に係る経費等、振込支払が困難なものを除く)
- 消費税等に係る経費(旅費等の内税を含む)
- 振込手数料(先方負担とした場合も含む)及び代金引換に係る手数料
- 交付決定前に発生した経費(交付決定前の発注や売買契約等に係る支払いも対象外)
- 事業完了日までに支払が完了しなかった経費
- 公序良俗に反する事業
- 公的な資金の使途として社会通念上、不適切であると判断される事業
- 自社で製品の企画等のみを行い、それを形にするため開発行為全てを外部へ委託する事業
- 本補助事業期間内に、同一の事業内容で国(独立行政法人を含む)又は県の他の補助金、助成金の交付決定を受けている事業
- 交付決定日より前に製品開発等の事業計画が終了している事業(上市済みである事業)
申請スケジュール
受付期間は2026-04-06から2026-05-11までです。事業実施期間は交付決定後~令和9年3月1日(月)まで。交付決定前に行った発注等に係る支払い、および、事業完了日までに支払いが完了しなかった経費は補助対象外。となっています。スケジュールがタイトなため、検討中の事業者は早めに準備を始めることをおすすめします。
審査のポイント
審査では、以下の観点から事業計画が評価されます。申請書の記載にあたっては、これらの項目を意識して具体的な内容を盛り込むことが重要です。
- ◼︎ 将来の需要を見越した脱炭素社会実現のための省エネにつながる新製品の開発計画となっているか:単なる製品開発ではなく、脱炭素社会の実現に向けた省エネ効果が明確に示され、将来の市場ニーズに対応した新製品の開発計画であることが重要。省エネ効果の定量的な評価や、既存製品との比較による優位性が具体的に示されている必要がある。
- ◼︎ 開発にあたり、従来技術・製品の課題が明確になっているか:現在の技術や製品の問題点、限界が具体的に分析・整理されており、なぜ新たな開発が必要なのかが明確に説明されている必要がある。単なる改良ではなく、技術的な革新性や独自性が求められる。
- ◼︎ 課題の解決方法が明確かつ妥当であるか:特定された課題に対して、技術的に実現可能で合理的な解決手法が提示されている必要がある。解決方法の技術的根拠、実現可能性、開発期間内での達成可能性が論理的に説明されていることが重要。
- ◼︎ 開発体制を含め補助事業実施のための技術的能力が備わっているか:開発チームの技術レベル、過去の開発実績、必要な設備・機器の保有状況、外部機関との連携体制等が適切に整備されている必要がある。特に工業技術センターとの連携した開発体制は加点対象となる。
- ◼︎ 人件費を含め経費の内容が妥当であるか:開発に必要な経費が適切に積算されており、過大でも過小でもない妥当な水準であることが求められる。特に人件費については、開発業務に直接従事する時間が明確で、時間単価が合理的である必要がある。
- ◼︎ 補助事業の成果が、省エネや価格に優位性や収益性を有しているか:開発される新製品が既存製品と比較して省エネ性能において明確な優位性を持ち、市場競争力のある価格設定が可能であること、さらに事業化後の収益性が見込めることが重要。定量的な効果測定と収益予測が必要。
- ◼︎ 事業計画、売上見込みが妥当であるか:事業終了後2年程度以内での上市計画が現実的であり、市場分析に基づいた売上予測、販売戦略、事業化スケジュールが具体的かつ実現可能な内容で策定されている必要がある。有効な期間の経営革新計画の承認を取得している開発は加点対象となる。
◼︎ 加点項目
以下のいずれかに該当する事業者は、審査において加点の対象となります。
- 工業技術センターと連携した開発体制
- 有効な期間の経営革新計画の承認を取得している(取得予定の)開発。経営革新計画承認申請書は毎月25日が提出締め切りだが、本補助金での加点対象となるのは、令和8年5月11日までに申請された計画に基づく開発
活用にあたっての注意点
本補助金を活用するにあたり、特に留意しておきたいポイントは以下のとおりです。
- 量産のみを目的とする設備導入や、自社では企画のみを行い、開発等を外注する事業計画は補助対象外
- 交付決定前に行った発注等に係る支払いは補助対象外
- 事業完了日(令和9年3月1日)までに支払いが完了しなかった経費は補助対象外
- 支払いは原則として銀行振込で行う必要がある
- 機械装置等は補助事業以外の目的に用いることはできない
- 1件50万円(税込)以上の機械装置等については処分の制限がかかる場合がある
- 補助事業実施年度終了後5年間、1年毎に事業化状況等に関して報告義務がある
- 経営革新計画を申請中の場合、申請中の経営革新計画の写しを提出し、承認後に速やかに承認通知書の写し及び当該計画書の写しの提出が必要
- 計画申請を当補助事業への応募時点で行っていなかったことが判明した場合、採択を取り消す場合がある
- 審査に関するお問い合わせには応じられない
- 採択となった場合には、企業概要及び開発テーマなどについて報道機関への発表や県ホームページ掲載等により公表される
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