徳島県で公募されている「新時代スタートアップ成長支援事業費補助金」についてご紹介します。徳島県内の中小企業やスタートアップ等を対象に、「学生起業家AI等導入枠」と「スタートアップ枠」の2枠で補助金を交付する事業である。学生起業家AI等導入枠は県内中小企業が学生起業家等のAI等先端技術を導入・実証する取組を対象とし、補助率3分の2以内、上限300万円または500万円である。スタートアップ枠は中小企業者による先端技術の社会実装・事業化・製品開発等を対象とし、補助率3分の2以内、上限2,000万円である。補助対象期間は交付決定日から令和9年2月26日までで、学生起業家AI等導入枠は令和8年10月8日から令和9年1月29日、スタートアップ枠は令和8年10月8日から令和8年10月30日まで募集される。補助金は精算払いで、実績報告書提出後に金額確定のうえ支払われる。本記事では、制度の概要・申請スケジュール・情報源を整理してお届けします。詳細は必ず公式ページでご確認ください。
- 実施機関
- 徳島県 経済産業部 産業成長推進課
- 対象地域
- 徳島県
- 受付期間
- 2026-10-08〜2027-01-29
- 事業実施期間
- 交付決定日から令和9年2月26日(金)までとする。上記実施期限までの間で、事業を完了(補助対象経費の支払いまで含む)した後、30日を経過した日又は令和9年2月26日までのいずれか早い日までに、補助事業実施内容及び経費を取りまとめ、実績報告書(様式第4号)を提出しなければならない。
- 補助上限額
- 2,000万円
- 補助率
- 学生起業家AI等導入枠(バックオフィスAI等検証型・工場機械設備AI等連携型):3分の2以内/スタートアップ枠(ソリューション開発型・キーデバイス開発型):3分の2以内
制度の目的と背景
本事業は、物価高騰や人手不足が加速する中、県内中小企業の生産性向上および省人化・省エネ化を図るため、学生起業家等との連携によるAI等の導入・実証を通じたシナジー効果を創出するとともに、スタートアップ等の新事業創出及び事業拡大を後押しし、持続的な賃上げ環境の整備及び新時代の地域産業の基盤形成を図るものである。※本事業は、国の「重点支援地方交付金」を活用しています。
補助率と上限額
本補助金の補助率・上限額は以下のとおりです。詳細は公募要領をご確認ください。
◼︎ 補助率
学生起業家AI等導入枠(バックオフィスAI等検証型・工場機械設備AI等連携型):3分の2以内/スタートアップ枠(ソリューション開発型・キーデバイス開発型):3分の2以内
◼︎ 補助上限額
2,000万円
◼︎ 内訳・支援枠
【学生起業家AI等導入枠】ア.バックオフィスAI等検証型:帳票処理、需要予測などのソフトウェア中心のAI等導入・効果検証事業、補助率3分の2以内、補助上限300万円/イ.工場・機械設備AI等連携型:既存の機械設備へのセンサー設置、画像認識による検品自動化、制御装置との連携など高度なハードウェア制御や省エネ化に資するAI等実装事業、補助率3分の2以内、補助上限500万円。【スタートアップ枠】ア.ソリューション開発型:先端技術によるエネルギー・原材料費等のコスト低減や省人化・自動化・最適化等に繋がる製品・サービス、イ.キーデバイス開発型:最終製品の省資源化、長寿命化、省エネ化等を実現する主要な機能部品・素材の製造、いずれも補助率3分の2以内、補助上限2,000万円(一律)。
対象となる事業者
本補助金の対象となる事業者は以下のとおりです。
- 【学生起業家AI等導入枠】中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者であり、補助事業期間完了日までに徳島県内に本社、事業所、工場、その他の事業用施設を有し、補助事業の主たる実施場所を徳島県内とする者であること
- 県内の学生起業家等からAI等先端技術を導入し、事業成長のシナジー効果を図る者であること
- 本事業による補助金の交付を受けようとする経費に対して、国、地方公共団体その他公的団体で徳島県以外の者から補助金等の交付又は経費の負担を受けていない者又は受ける見込みのない者であること
- 特定の政治活動又は宗教活動を主たる目的とする者ではないこと、及び暴力団若しくは暴力団員又はこれらの者と密接な関係を有しない者その他の法令又は公序良俗に反する等により適当でないと認められる者でないこと
- 【スタートアップ枠】補助事業期間完了日までに徳島県内に本社、事業所、工場、その他の事業用施設を有し、補助事業の主たる実施場所を徳島県内とする者であること
- 補助事業において主たる技術・能力を持つ、若しくは実用化又は事業化後に主たる製品・サービスの提供を行う者であること
- 中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者(小規模企業者及び個人事業者を含む)のうち、独自の技術やアイデアをもとに新たな事業領域を開拓し、短期間での飛躍的な成長を目指す者であって、法人設立の日から起算して15年を経過していない未上場の者であり徳島県内の高等教育機関により同機関発のベンチャー企業等として認定されている者、又は法人設立の日から起算して15年を経過していない未上場の者であり経済産業省の「J-Startup」若しくは「J-Startup WEST」の選定事業者、又は知事がこれらと同等のイノベーション創出能力を有すると認める者のいずれかに該当すること
- 過去に本県が実施した「新時代イノベーション創出支援費補助金」等において採択された事業者でないこと
- 過去に本県が実施した「新時代イノベーション創出支援費補助金」等に申請し不採択となった事業と同一内容の事業でないこと
- 本事業による補助金の交付を受けようとする経費に対して、国、地方公共団体その他公的団体で徳島県以外の者から補助金等の交付又は経費の負担を受けていない者又は受ける見込みのない者であること
- 特定の政治活動又は宗教活動を主たる目的とする者ではないこと、及び暴力団若しくは暴力団員又はこれらの者と密接な関係を有しない者その他の法令又は公序良俗に反する等により適当でないと認められる者でないこと
- 中小企業者の定義:製造業・建設業・運輸業等(資本金3億円以下又は従業員300人以下)、卸売業(資本金1億円以下又は従業員100人以下)、サービス業(資本金5千万円以下又は従業員100人以下)、小売業(資本金5千万円以下又は従業員50人以下)
- 補助対象となり得る者:個人事業主(商工業者であること)、申請時点で開業していない創業予定者(補助事業期間完了日までに開業届提出・開業日到来)、会社及び会社に準ずる営利法人(株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、特例有限会社、企業組合・協業組合)、申請時点で未設立の創業予定者(補助事業期間完了日までに登記完了)
- 補助対象にならない者:医師、歯科医師、助産師、系統出荷による収入のみの個人農業者(個人の林業・水産業者も同様)、協同組合等の組合(企業組合・協業組合を除く)、一般社団法人、公益社団法人、一般財団法人、公益財団法人、医療法人、宗教法人、学校法人、農事組合法人、社会福祉法人、任意団体等
- 本事業への申請は1事業者あたり1回とし、複数の申請は受け付けない
対象経費
補助対象となる経費は以下のとおりです。
- ①人件費等(スタートアップ枠のみ):給与・報酬・謝礼に係る経費。補助対象経費総額の50%以内を対象。給与は補助事業に直接従事する者・研究者・工員・アルバイト等の直接従事時間分、報酬・謝礼費は外部専門家のコンサルティング料等
- ②報償費(学生起業家AI等導入枠のみ):専門的知識を有する外部アドバイザー等からの助言・指導及び技術的援助に対する謝礼・報酬等。補助事業者の役員・従業員及び学生起業家等自身への支払いは対象外、証拠書類(指導実績報告書、謝礼領収書等)が必要
- ③旅費(両枠共通):補助事業に直接従事する者(外部専門家含む)の出張・移動に係る交通費・宿泊費等の実費(鉄道賃、船賃、航空賃、車賃、宿泊費)、最も経済的かつ合理的な経路・方法によるもの。通勤費は除く
- ④費用弁償(学生起業家AI等導入枠のみ):伴走支援に伴う現地指導等に係る旅費・実費交通費、及び学生起業家等の移動経費(鉄道賃、バス代、航空賃、ガソリン代・高速道路利用料、必要な宿泊費)。日常的な通学・通勤費用は除く
- ⑤機械装置等費(両枠共通):機械・装置・設備・備品の製作、購入、借用に要する経費、専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築費、据付・組立・設置に必要な基礎工事等、保守・改造修理費。生産性向上や収益構造強化に結びつくものに限る。1件50万円以上かつ耐用年数1年以上の機械・器具・備品は補助事業計画書に計上必要
- ⑥物品費(両枠共通):部品、資材、原材料、素材、消耗品、試作品、図書等の製作・購入費。1件当たり取得価格10万円未満のもの。終了時点の未使用残存品は対象外
- ⑦委託費(両枠共通):外部の専門機関や共同研究企業、学生起業家等への調査・開発委託費。スタートアップ枠は総額の50%以内。委託先が購入する単価50万円以上の機械装置等の所有権は補助事業者に帰属。未法人化学生起業家との契約は業務委託契約書の締結が必須
- ⑧その他経費(両枠共通):光熱水費、資料の印刷製本費、会議費(会場借料・茶菓料、酒類食事代除く)、通信運搬費、物品等の借損及び使用、設備使用料、広報費、保険料、データ・権利等使用料等。AI等導入枠はAIサービス利用料・API利用料・クラウドサーバー利用料等を含む
申請スケジュール
受付期間は2026-10-08から2027-01-29までです。事業実施期間は交付決定日から令和9年2月26日(金)までとする。上記実施期限までの間で、事業を完了(補助対象経費の支払いまで含む)した後、30日を経過した日又は令和9年2月26日までのいずれか早い日までに、補助事業実施内容及び経費を取りまとめ、実績報告書(様式第4号)を提出しなければならない。です。スケジュールは変更される場合があるため、必ず公式ページの最新情報をご確認ください。
審査のポイント
審査では以下の観点から事業計画が評価されます。
- ◼︎ 課題解決性とAI等導入効果(学生起業家AI等導入枠):申請中小企業が抱える業務上の課題(物価高、人手不足、コスト高、業務効率等)に対し、導入するAI・先端技術のソリューションが適性かつ本質的であるかを評価する。AI等の導入・検証によって見込まれる定量的成果目標(削減・抑制されるコスト率・金額、代替・削減される労働時間数、省力化による賃上げ原資の創出効果等)が具体的かつ実現可能かも審査される。補助事業計画書の自社の現状の課題と目的、導入技術の具体的内容、成果目標の記載内容が重視される。
- ◼︎ 協業体制と事業の実現可能性(学生起業家AI等導入枠):申請事業者と学生起業家・大学発スタートアップが対等なビジネスパートナーとして、双方の強みを活かした適切な役割分担・連携体制を構築しているかを評価する。実施スケジュールが現実的であり、委託費(対価)や機械装置等の経費積算根拠が事業内容・市場価格に対して適切かつ妥当であるかも審査される。
- ◼︎ 事業成長とシナジー効果(学生起業家AI等導入枠):AI等技術の短期導入・実証を通じ、申請中小企業の業務革新や収益構造強化につながると同時に、学生起業家等の技術実証・事業実績形成や事業拡大に寄与する相乗効果(シナジー)が期待できるかを評価する。
- ◼︎ 政策目的との整合性と地域貢献(学生起業家AI等導入枠):物価高騰や人手不足などの社会課題解決に向け、直接的なコスト低減や作業時間の削減を通じ、地域中小企業の生産性向上や持続的な賃上げ環境の整備につながる具体的な取組となっているかを評価する。県内企業と県内の学生起業家等との連携により、地域内での新イノベーション創出や地域経済への波及効果がもたらされるかも審査される。
- ◼︎ 革新性と技術的優位性(スタートアップ枠):顧客や市場が抱える課題を深く捉え、そのソリューションが本質的であるかを評価する。申請事業が単なる既存製品の模倣や代替にとどまらず、独自の先端技術や新しいビジネスモデルに基づいているか、競合他社と比較して明確な優位性(技術的参入障壁、知財の保有、独自データ等)を有しているかが審査される。
- ◼︎ 市場性と成長性(スタートアップ枠):ターゲットとする市場に十分な規模や将来性があり、事業拡大の余地が大きいかを評価する。短期間での飛躍的な成長を目指すためのロードマップが描かれており、収益化の道筋が具体的であるかも審査される。
- ◼︎ 事業の実現可能性(スタートアップ枠):経営者やチームメンバーの経歴・能力が事業内容と合致しており、製品・サービス開発や事業化・事業拡大を遂行できる体制(外部連携含む)が構築されているかを評価する。スケジュールが現実的であり、導入する機械装置や経費の積算根拠が事業内容にとって必要不可欠かつ妥当であるかも審査される。
- ◼︎ 政策目的との整合性と地域貢献(スタートアップ枠):物価高騰や人手不足などの社会課題に対し、コスト低減や省人化・最適化・省資源化等を実現する事業内容となっているかを評価する。本事業の成果が、生産性の向上や賃上げ、地域雇用の創出、徳島県経済へ波及効果をもたらすかも審査される。
活用にあたっての注意点
- 学生起業家AI等導入枠は徳島県による専門アドバイザー等への意見聴取・審査を経て予算の範囲内で先着順に交付決定・採択される
- スタートアップ枠は新時代スタートアップ成長支援事業費補助金採択事業者審査委員会で審査され、予算の範囲内で採択の可否が決定される(採択(交付決定)は令和8年11月中旬を予定)。必要に応じ事前ヒアリングやプレゼンテーションを求められる場合がある
- 採択された場合であっても、予算の都合等により希望金額から減額される場合がある
- 採択又は不採択の結果は申請者全員に通知されるが、審査結果の内容についての問合せには応じかねる
- 採択された事業については、事業者名、事業者の所在地(市町村名のみ)及び補助事業で行う事業名を公表することがある
- 提出書類に虚偽の記載があった場合、本要項に違反又は著しく逸脱した場合等は審査されない
- 本件と同一内容の事業内容で他の公的補助金等による交付決定及び内定を受けている場合は申請不可
- 申請書類の作成にあたっては、消費税等仕入控除税額を減額して記載しなければならない
- 提出部数は9部(正1部、写し8部)、補助金交付申請書・補助事業計画書・経費明細表は電子データもメールで提出すること
- 交付決定日より前に発注や契約等を行った場合、実際の使用が補助事業期間中であってもその経費は補助対象外となる
- 補助事業期間中に発注・引渡し・支払があっても、実際の使用が補助事業期間外であれば補助対象外となる
- 証拠書類(見積書、発注書又は契約書、納品書、請求書、銀行振込受領書、領収書等)は補助事業以外の事業と明確に分けて記帳・保存すること。宛名は全て補助事業者である必要があり、宛名相違・記載なし・日付不明は証拠書類として認められない
- 実績報告が遅れ、合理的な理由を証することができない場合は交付決定を取り消すことがある
- 取得財産のうち単価50万円(税抜)以上の機械・装置等(処分制限財産)は、処分制限期間内にやむを得ず処分する場合、事前に県への相談及び承認申請が必要
- 補助事業の進捗状況確認のため県が実地検査に入ることがあり、会計検査院等の検査で不正が指摘された場合は返還命令等に従う必要がある
- 本事業終了後も、経営状況等調査(賃上げ、雇用状況等含む)への回答、展示会出展や成果発表会でのプレゼンテーション、アントレプレナーシップ教育活動への講師参画等の協力義務がある
- 学生起業家AI等導入枠では、知的財産権・成果物の帰属、利益相反への配慮、守秘義務の遵守、データセキュリティの確保について特別な義務が課される
- 経費の支払いは原則銀行振込とし、1取引10万円超(税抜)の現金払いは認められない。クレジットカード払いは補助対象期間中の引き落とし・支払完了が確認できる場合のみ認められる
- 県税すべてに未納がないことの証明書の提出が必要(交付には申請から15分程度要し、400円分の徳島県収入証紙が必要)
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