東京都では、東京都内の中小企業者等が外国実用新案出願を行う際の費用を助成する制度。助成対象期間は令和8年4月1日から最長令和10年11月30日まで(2年8か月)。助成率は対象経費の1/2以内、助成限度額は60万円。対象経費は外国実用新案出願に要する経費の一部(出願手数料、代理人費用、翻訳料、先行技術調査費用等)。本記事では、制度の概要・補助率・対象経費・申請スケジュール・注意点までを公募要領ベースで整理してお届けします。
- 実施機関
- 東京都知的財産総合センター(公益財団法人東京都中小企業振興公社)
- 対象地域
- 東京都
- 受付期間
- 2026-05-08〜2026-10-16
- 事業実施期間
- 令和8年4月1日から最長令和10年11月30日まで(2年8か月)。助成対象とする経費はこの期間に代理人等への発注又は契約、実施、支払の全てが完了した経費
- 補助上限額
- 60万円
- 補助率
- 助成対象と認められる経費の1/2以内
制度の目的と背景
本助成金は、優れた技術等を有し、かつ、海外での知的財産侵害訴訟リスクの対策として、早期に権利化できる実用新案を活用しようとする東京都内の中小企業者等に対し、外国実用新案出願に要する経費の一部を助成することによって、中小企業者等の国際競争力の向上、経営基盤の強化を図り、東京の産業を活性化することを目的とします。
補助率と上限額
本補助金の補助率と上限額は以下のとおりです。
◼︎ 補助率
助成対象と認められる経費の1/2以内
◼︎ 補助上限額
60万円
◼︎ 内訳・支援枠
単一枠: 上限60万円・補助率1/2以内(共同出願の場合は、助成金申請者の費用負担割合に応じて助成予定額を決定するが、一件の出願案件に対し60万円を上限とする)
対象となる事業者
本補助金の対象となる事業者は以下のとおりです。申請前に自社が要件を満たしているかご確認ください。
- 令和8年4月1日以前に設立(設立登記又は開業届出)し、実質的に事業を行っている東京都内の中小企業者等
- 中小企業者(会社及び個人事業者):製造業は資本金3億円以下かつ従業員300人以下、ゴム製品製造業は資本金3億円以下かつ従業員900人以下、卸売業は資本金1億円以下かつ従業員100人以下、サービス業(旅館業・小売業除く)は資本金5千万円以下かつ従業員100人以下、旅館業は資本金5千万円以下かつ従業員200人以下、小売業は資本金5千万円以下かつ従業員50人以下
- 中小企業団体(中小企業等協同組合法に基づく組合又は中小企業団体の組織に関する法律第3条に掲げる団体で、構成員の半数以上が東京都内の事業所で実質的に事業を行っている中小企業者)
- 一般社団法人及び一般財団法人(一般社団法人は社員総会における議決権の2分の1以上を都内の事業所で実質的に事業を行っている中小企業者が有し、一般財団法人は設立に際して拠出された財産の価額の2分の1以上が都内の事業所で実質的に事業を行っている中小企業者により拠出されており、大企業が実質的に経営に参画していない者)
- 基準日(令和8年4月1日)現在で、会社については東京都内に登記簿上の本店又は支店、中小企業団体及び一般社団法人並びに一般財団法人については東京都内に登記簿上の主たる事務所のいずれかがあること
- 基準日現在で、1年以上、東京都内の事業所で実質的に事業を行っている、又は、引き続く事業期間が1年に満たないが、東京都内で創業し、東京都内の事業所で実質的に事業を行っている者
- 助成事業の成果を活用し、東京都内で引き続き事業を営む予定であること
- 大企業が実質的に経営に参画していない者
対象経費
補助対象となる経費は以下のとおりです。公募要領で定める範囲を超える経費は対象外となるため、申請時には個別に確認してください。
- 外国出願手数料:直接出願した当該外国の出願手数料、PCT出願に係る国際出願手数料、PCT出願に係る各指定国への国内段階移行時の手数料(日本国移行に係る費用は除く)、PCT出願の国際段階での補正手数料(19条補正、34条補正等)、書類の謄本の交付に係る手数料
- 代理人費用:当該外国出願に係る国内弁理士費用及び現地代理人費用
- 翻訳料:翻訳に要する経費
- その他の経費:先行技術調査費用(当該外国出願に係ることが明らかなものに限る)、国際調査手数料(調査手数料、送付手数料、追加手数料、文献の写しの請求に係る手数料)、国際予備審査手数料(審査手数料、取扱手数料、追加手数料、文献の写しの請求に係る手数料)、通信費・運送料・振込手数料等(振込手数料は海外送金に係るもののみが対象となり、国内向けの振込手数料は対象外。また、振込先負担の場合の振込手数料も対象外)
◼︎ 対象外となる経費・事項
- 助成事業に直接関係のない経費
- 帳票類が不備の経費(契約書若しくは注文書・注文請書、完了報告書類、源泉所得税納付時の領収証書、請求書、振込控、通帳等が確認できない場合)
- 交付申請書に記載されていない事項に関する経費(出願する考案の変更や出願国の追加の場合等)
- 他の取引と相殺して支払が行われている経費
- 助成事業者の口座から振込先の口座への振込払い以外の方法により支払が行われている経費(現金、手形、小切手、電子記録債権)
- 支払時に、ポイントカード等によるポイントを取得・使用した場合のポイント分
- 親会社、子会社、グループ企業等関連会社(自社と資本関係のある会社、役員等及び従業員を兼任している会社、代表者の三親等以内の親族が経営する会社等)との取引に係る経費
- 共同出願する場合の、共同出願人の間での取引に係る経費
- 国内消費税
- 国内向けの振込手数料及び振込先負担の場合の振込手数料
- 一般的な市場価格若しくは発注又は契約の内容に対して著しく高額な経費
- 公的資金の用途として社会通念上、不適切と認められる経費
- 発注又は契約から支払までの一連の手続きが助成対象期間内に未完了の経費
- 出願後の経費(中間手続に係る経費、審査請求費用、登録料、維持年金等)
- 手続期限を延長するための経費
- 日本国内への出願若しくは国内移行
- 各指定国への国内移行を1か国も行わないPCT出願
- PCT出願の各指定国への国内移行が助成対象期間中に1か国も完了しなかった場合の、当該PCT出願に係る経費
申請スケジュール
受付期間は2026-05-08から2026-10-16までです。事業実施期間は令和8年4月1日から最長令和10年11月30日まで(2年8か月)。助成対象とする経費はこの期間に代理人等への発注又は契約、実施、支払の全てが完了した経費となっています。スケジュールがタイトなため、検討中の事業者は早めに準備を始めることをおすすめします。
審査のポイント
審査では、以下の観点から事業計画が評価されます。申請書の記載にあたっては、これらの項目を意識して具体的な内容を盛り込むことが重要です。
- ◼︎ 資格審査:申請要件等を満たしているかの審査。中小企業者等の定義、都内での事業実態、設立時期等の基本的な要件を確認する。この段階で要件を満たさない場合は失格となる。
- ◼︎ 技術審査:出願の動機・目的、登録実用新案取得への意欲を評価する。登録性(新規性・進歩性)、市場性(市場規模・需要の見込み)、独占性(競合他社に対する優位性)を総合的に判断。実用新案出願後の出願国での事業展開、資金調達の見込みも評価対象となる。技術的な優位性と事業化の可能性を具体的に示すことが重要。
活用にあたっての注意点
本補助金を活用するにあたり、特に留意しておきたいポイントは以下のとおりです。
- 同一年度の交付決定は、一中小企業者等につき一件とする
- 同一内容で、公社・国・都道府県・区市町村等から助成を受けていないこと
- 同一内容で公社が実施する他の助成金に併願申請していないこと
- 助成対象期間中に申請要件を満たさなくなった場合には、助成対象期間内であっても打ち切ることがある
- 同一の外国実用新案出願に対して、他の助成金と重複して助成金を受けることはできない
- jGrantsによる電子申請と申請書類の提出(送付)の両方の手続きが必要
- jGrantsを利用するには「GビズIDプライムアカウント」の発行が必要で、国の審査により発行に時間がかかるため余裕を持って準備すること
- 申請の確認・提出、及び申請受付以降の手続きは、助成金申請者の代表者又は従業員が行うこと(ただし、jGrants上の当初申請手続きに限り代理申請機能の使用可能)
- 共同出願に係る経費については、対象となる考案の特定、権利の持分及び外国出願の費用負担割合が記載された共同出願契約書の提出が必要
- 助成事業の完了は、助成対象期間内に助成事業者が出願人となる外国への実用新案出願が完了したことを確認できることが条件
- 助成金は一括の後払い(完了検査後の支払い)
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