東京都では、世界規模での事業展開が期待できる技術・製品を有する都内中小企業等に対し、外国での知的財産権の取得・維持等に要する経費を助成。令和3年4月1日以降に都等の事業で表彰・助成・支援を受けた実績が申請要件。助成率1/2、上限1,000万円、実施期間は最長2年9か月。本記事では、制度の概要・補助率・対象経費・申請スケジュール・注意点までを公募要領ベースで整理してお届けします。
- 実施機関
- 公益財団法人東京都中小企業振興公社 東京都知的財産総合センター
- 対象地域
- 東京都
- 受付期間
- 2026-06-16〜2026-07-15
- 事業実施期間
- 令和8年4月1日から最長令和10年12月31日まで(2年9か月)。助成対象期間は年度ごとに3期間に区分:令和8年度(第1期)、令和9年度(第2期)、令和10年度(第3期)。各期の終了後に実績を確認・検査した上で助成金を交付。
- 補助上限額
- 1,000万円
- 補助率
- 助成対象と認められる経費の1/2以内
制度の目的と背景
本助成金は、世界規模での事業展開が期待できる技術や製品を有する東京都内の中小企業者等に対して、知的財産権の取得等に要する経費を助成し、知財戦略の策定から実施までを継続的にかつ強力に支援することで、東京の産業を牽引する企業を創出することを目的とします。
補助率と上限額
本補助金の補助率と上限額は以下のとおりです。
◼︎ 補助率
助成対象と認められる経費の1/2以内
◼︎ 補助上限額
1,000万円
◼︎ 内訳・支援枠
単一枠:上限1,000万円(3期通算)、助成率1/2以内
対象となる事業者
本補助金の対象となる事業者は以下のとおりです。申請前に自社が要件を満たしているかご確認ください。
- 中小企業者(会社及び個人事業者)で、大企業が実質的に経営に参画していない者
- 中小企業団体で、構成員の半数以上が東京都内の事業所で実質的に事業を行っている中小企業者であり、大企業が実質的に経営に参画していない者
- 令和8年4月1日以前に設立(設立登記又は開業届出)し、実質的に事業を行っている東京都内の中小企業者等
- 基準日現在で1年以上、東京都内の事業所で実質的に事業を行っている、又は引き続く事業期間が1年に満たないが東京都内で創業し、東京都内の事業所で実質的に事業を行っている者
- 令和3年4月1日以降令和8年3月31日までに、助成金申請資格となる事業と必要となる要件に掲げるいずれかの事業において、技術や製品が優れたものであると認められ表彰・助成・支援を受けており、かつ必要となる要件を満たしていること
- 技術や製品に係る特許権・実用新案権・意匠権が、国内外のいずれかに既に権利化されていることが必要
- 世界規模での事業展開の計画を有しており、その計画に基づき、海外での知的財産の権利取得又は維持、活用等を推進しようとしていることが必要
対象経費
補助対象となる経費は以下のとおりです。公募要領で定める範囲を超える経費は対象外となるため、申請時には個別に確認してください。
- 権利取得等費用(外国での権利取得・維持に関する費用。周辺・改良技術等に関するものを含む):特許(出願料、特許料、審査・審判請求料、翻訳費用、代理人費用(国内・現地)、中間処理費用(意見書・補正書作成費用))
- 意匠(出願料、登録料、審査・審判請求料、翻訳費用、代理人費用(国内・現地)、中間処理費用(意見書・補正書作成費用))
- 商標(出願料、登録料、審査・審判請求料、翻訳費用、代理人費用(国内・現地)、中間処理費用(意見書・補正書作成費用))
- 実用新案(出願料、登録料、審査・審判請求料、翻訳費用、代理人費用(国内・現地)、中間処理費用(意見書・補正書作成費用))
- 著作権(登録料、代理人費用(国内・国外))
- 知財トラブル対策費用:紛争に備える費用(訴訟保険加入費用(知財訴訟特約事項に限る))、侵害調査費用(他社特許の無効調査に関する代理人費用(国内・現地)、鑑定費用、専門家意見書・見解書作成費用)、現地展示会での模倣対策費用(模倣品の撤去に要する代理人への委託費用(調査に要する費用を含む))、税関での模倣品・海賊版差止費用(申請に関する代理人費用(国内・現地))
- 先行調査費用:他社知財調査費用(代理人費用(国内・現地))
◼︎ 対象外となる経費・事項
- 助成事業に直接関係のない経費
- 帳票類が不備の経費(契約書若しくは注文書・注文請書、完了報告書類、源泉所得税納付時の領収証書、請求書、振込控、通帳等が確認できない場合)
- 交付申請書に記載されていない事項に関する経費
- 他の取引と相殺して支払が行われている経費
- 助成事業者の口座から振込先の口座への振込払い以外の方法により支払が行われている経費(現金、手形、小切手、電子記録債権)
- 支払時に、ポイントカード等によるポイントを取得・使用した場合のポイント分
- 親会社、子会社、グループ企業等関連会社との取引に係る経費
- 共同出願する場合の、共同出願人の間での取引に係る経費
- 国内消費税
- 国内向けの振込手数料及び振込先負担の場合の振込手数料
- 一般的な市場価格若しくは発注又は契約の内容に対して著しく高額な経費
- 公的資金の用途として社会通念上、不適切と認められる経費
- 発注又は契約から支払までの一連の手続きが助成対象期間内に未完了の経費
- 知財トラブル対策時の訴訟に係る経費
- 助成期間外を対象期間とした経費(維持年金など)
- 日本国内への出願若しくは国内移行
申請スケジュール
受付期間は2026-06-16から2026-07-15までです。事業実施期間は令和8年4月1日から最長令和10年12月31日まで(2年9か月)。助成対象期間は年度ごとに3期間に区分:令和8年度(第1期)、令和9年度(第2期)、令和10年度(第3期)。各期の終了後に実績を確認・検査した上で助成金を交付。となっています。スケジュールがタイトなため、検討中の事業者は早めに準備を始めることをおすすめします。
審査のポイント
審査では、以下の観点から事業計画が評価されます。申請書の記載にあたっては、これらの項目を意識して具体的な内容を盛り込むことが重要です。
- ◼︎ 資格審査:申請要件等を満たしているかを確認。中小企業者の定義、東京都内での事業実施実績、令和3年4月1日以降の表彰・助成・支援実績、技術・製品の権利化状況、世界規模での事業展開計画等の要件適合性を審査する。
- ◼︎ 経理審査:財務内容等を審査。企業の財務状況が健全で助成事業を継続的に実施できる能力があるかを確認する。直近2期分の確定申告書、納税証明書等により経営状況を評価する。
- ◼︎ 事業審査:技術・製品の卓越性・将来性、事業戦略の妥当性・実現性、知財戦略の妥当性・実現性を総合的に評価。世界規模での事業展開の可能性、技術・製品の競合優位性、知的財産権取得による事業効果、海外市場での成功可能性等を詳細に審査する。
活用にあたっての注意点
本補助金を活用するにあたり、特に留意しておきたいポイントは以下のとおりです。
- 同一年度の交付決定は、一中小企業者等につき一件とする
- 共同出願に係る経費については、助成金申請者の費用負担割合に応じて助成予定額を決定。ただし、一出願案件に対し1,000万円を上限とする(3期通算)
- 申請書提出時に、対象となる発明・考案の特定、権利の持分及び費用負担割合が記載された共同出願契約書の提出が必要
- 助成事業の完了は、助成対象期間内に助成事業者が名義人となる外国での知的財産の権利取得又は維持等が完了したことを確認できることが条件
- 同一の助成対象経費に対して、他の助成金と重複して助成金を受けることはできない
- 助成対象期間中に申請要件を満たさなくなった場合には、助成対象期間内であっても打ち切ることがある
- jGrantsによる申請手続きと申請書類の提出の両方の手続きが必要
- GビズIDプライムアカウントの発行が必要で、国の審査により時間がかかるため余裕を持って準備すること
- 申請の確認・提出、及び申請受付以降の手続きは、助成金申請者の代表者又は従業員が行うこと(jGrants上の当初申請手続きに限り代理申請機能使用可)
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