東京都では、東京都内の中小企業者等が外国で保有する産業財産権等の権利侵害等への対策(権利侵害等の事実確認調査、侵害品の鑑定、侵害先への警告、税関での輸入差止対策)に要する経費の一部を助成。助成限度額200万円、助成率1/2以内。助成対象期間は令和8年4月1日から最長令和9年11月30日まで。本記事では、制度の概要・補助率・対象経費・申請スケジュール・注意点までを公募要領ベースで整理してお届けします。
- 実施機関
- 公益財団法人東京都中小企業振興公社 東京都知的財産総合センター
- 対象地域
- 東京都
- 受付期間
- 〜2025-10-01
- 事業実施期間
- 令和8年4月1日から最長令和9年11月30日(1年8か月)。発注又は契約、実施、支払の全てがこの期間内に完了する必要がある。
- 補助上限額
- 200万円
- 補助率
- 助成対象と認められる経費の1/2以内
制度の目的と背景
本助成金は、外国における自社製品・技術の模倣又は権利侵害等(以下「権利侵害等」という。)について、東京都内の中小企業者等が対策を行う場合に、これに要する経費の一部を助成することにより、権利侵害等に対する取組を支援し、もって権利侵害等の被害を解消することを目的とします。
補助率と上限額
本補助金の補助率と上限額は以下のとおりです。
◼︎ 補助率
助成対象と認められる経費の1/2以内
◼︎ 補助上限額
200万円
◼︎ 内訳・支援枠
単一枠のみ: 上限200万円・助成率1/2以内
対象となる事業者
本補助金の対象となる事業者は以下のとおりです。申請前に自社が要件を満たしているかご確認ください。
- 令和8年4月1日以前に設立(設立登記又は開業届出)し、実質的に事業を行っている東京都内の中小企業者等
- 中小企業者(会社及び個人事業者): 製造業等は資本金3億円以下300人以下、卸売業は1億円以下100人以下、サービス業(旅館業以外)は5千万円以下100人以下、旅館業は5千万円以下200人以下、小売業は5千万円以下50人以下
- 中小企業団体: 中小企業等協同組合法に基づく組合又は中小企業団体の組織に関する法律第3条に掲げる団体で、構成員の半数以上が東京都内の事業所で実質的に事業を行っている中小企業者であること
- 一般社団法人及び一般財団法人: 社員総会における議決権の2分の1以上を都内の事業所で実質的に事業を行っている中小企業者が有していること等
- 大企業が実質的に経営に参画していない者(大企業が単独で発行済株式総数の1/2以上、複数で2/3以上を所有している場合等は除外)
- 基準日(令和8年4月1日)現在で、東京都内に登記簿上の本店又は支店があること
- 基準日現在で、1年以上、東京都内の事業所で実質的に事業を行っている、又は引き続く事業期間が1年に満たないが東京都内で創業していること
対象経費
補助対象となる経費は以下のとおりです。公募要領で定める範囲を超える経費は対象外となるため、申請時には個別に確認してください。
- 権利侵害等の事実確認を行うための調査費用: 侵害に関する事実確認調査で、侵害品の製造場所や流通経路等に関する調査を外部へ委託する費用、侵害品の購入費用
- 侵害品の鑑定費用: 弁理士、弁護士等の専門家へ鑑定を委託する費用で、使用する権利が有効で、対象物が侵害しているかの見解を求めるために実施されるもの
- 侵害先への警告費用: 弁理士、弁護士等へ警告状の作成等を委託する費用
- 税関での輸入差止対策に係る費用: 弁理士、弁護士等へ輸入差止申立手続きや意見陳述要領書の作成等を委託する費用
- 助成事業として決定を受けた事業を実施するための必要最小限の経費
- 助成対象期間内に発注又は契約、実施、支払の全てが完了した経費(源泉所得税も助成対象期間内に納付することが必要)
- 助成事業者自身が代理人等に直接支出したことが確認できる経費
- 助成対象(使途、単価、為替レート、支払額等)が証憑や書類により確認可能であり、かつ、助成事業に係るものとして、明確に区分できる経費
◼︎ 対象外となる経費・事項
- 助成事業に直接関係のない経費
- 帳票類が不備の経費(契約書若しくは注文書・注文請書、完了報告書類、源泉所得税納付時の領収証書、請求書、振込控、通帳等が確認できない場合)
- 交付申請書に記載されていない事項に関する経費
- 他の取引と相殺して支払が行われている経費
- 助成事業者の口座から振込先の口座への振込払い以外の方法により支払が行われている経費(現金、手形、小切手、電子記録債権)
- 支払時に、ポイントカード等によるポイントを取得・使用した場合のポイント分
- 親会社、子会社、グループ企業等関連会社との取引に係る取引
- 国内消費税
- 国内向けの振込手数料及び振込先負担の場合の振込手数料
- 一般的な市場価格若しくは発注又は契約の内容に対して著しく高額な経費
- 公的資金の用途として社会通念上、不適切と認められる経費
- 発注又は契約から支払までの一連の手続きが助成対象期間内に未完了の経費
- 日本国内における調査、鑑定、警告に係る経費
- 訴訟や交渉等に係る経費
- 模倣品が出回っていることを確認するための事前調査
- 外国で保有していない産業財産権等に関する権利侵害等への対策(税関での輸入差止対策は除く)
申請スケジュール
受付締切は2025-10-01です。事業実施期間は令和8年4月1日から最長令和9年11月30日(1年8か月)。発注又は契約、実施、支払の全てがこの期間内に完了する必要がある。となっています。スケジュールがタイトなため、検討中の事業者は早めに準備を始めることをおすすめします。
審査のポイント
審査では、以下の観点から事業計画が評価されます。申請書の記載にあたっては、これらの項目を意識して具体的な内容を盛り込むことが重要です。
- ◼︎ 資格審査:申請要件等を満たしているかを確認する審査。中小企業者の定義、東京都内での事業実態、申請要件の各項目への適合性等を詳細にチェックする。
- ◼︎ 侵害対策の目的の妥当性:申請する権利侵害等への対策が、保有している産業財産権等の保護という観点から合理的で必要性が高いものかを評価する。対策の目的が明確で、権利保護に直結するものほど高い評価を得られる。
- ◼︎ 侵害対策の緊急性:権利侵害等の状況が深刻で、迅速な対応が必要な案件かを評価する。侵害による被害の拡大可能性や、対策の遅れによる損失の大きさ等を総合的に判断する。
- ◼︎ 侵害対策の費用対効果:申請する対策にかかる費用と、その対策により期待される効果のバランスを評価する。費用に見合った成果が期待できる合理的な対策であることが重要で、過度に高額でない適正な費用設定が求められる。
- ◼︎ 権利侵害等に関し入手した情報の信頼性:権利侵害等の事実を裏付ける証拠や情報の確実性・信頼性を評価する。具体的で客観的な証拠に基づいた申請であり、侵害の事実が明確に確認できるものほど高く評価される。
- ◼︎ 権利侵害等が現在行われており又は今後行われることの確実性:権利侵害等が現在進行中であるか、または近い将来に発生する可能性が高いかを評価する。単なる懸念ではなく、具体的な侵害行為の存在や発生可能性が客観的に認められることが重要。
活用にあたっての注意点
本補助金を活用するにあたり、特に留意しておきたいポイントは以下のとおりです。
- 必ず申請日以前に、申請内容に関する知財相談を当センターで受けること(事前予約が必要)
- jGrantsでの電子申請と申請書類の郵送提出の両方の手続きが必要
- GビズIDプライムアカウントの発行が必要で、国の審査により時間がかかるため余裕を持って準備すること
- 提出書類は簡易書留、レターパック、宅配便(信書用)等、記録が残る方法で送付する(持参、普通郵便、FAX、電子メール等は不可)
- 同一年度の交付決定は、一中小企業者等につき一件のみ
- 同一の権利侵害等への対策に対して、他の助成金と重複して受けることはできない
- 助成対象期間中に申請要件を満たさなくなった場合は打ち切りの可能性がある
- 助成金は一括の後払いで、完了検査後に支払われる
- 申請書類の返却には応じられないため、必ず控えを取って保管すること
- 実績報告書と帳票類の写しの提出が必要(完了後15日以内)
- 助成事業に関する帳簿及び書類は、完了日の属する会計年度の翌年度から起算して5年間保存が必要
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