東京都では、中小企業強靭化法に基づく「連携事業継続力強化計画」の認定を受けた中小企業者等の連携による、BCP実践に必要な物品・設備等の導入経費の一部を助成。助成限度額1,000万円(クラウド化含む、クラウド化は300万円まで)、助成率1/2、下限額10万円。本記事では、制度の概要・補助率・対象経費・申請スケジュール・注意点までを公募要領ベースで整理してお届けします。
- 実施機関
- 公益財団法人東京都中小企業振興公社
- 対象地域
- 東京都
- 受付期間
- 2026-05-13〜2026-05-19
- 事業実施期間
- 4か月以内(第1回:令和8年8月1日~11月30日、第2回:令和8年12月1日~令和9年3月31日、第3回:令和9年4月1日~7月31日)
- 補助上限額
- 1,000万円
- 補助率
- 助成対象経費の1/2以内
制度の目的と背景
本助成金は、中小企業者等が、自然災害、感染症等の不測の事態が生じた場合に備え、事業継続のための危機管理対策を講じることが重要であることに鑑み、中小企業者等が行う事業継続のための取組を支援し、もって、東京都内の中小企業の振興に資することを目的としています。
補助率と上限額
本補助金の補助率と上限額は以下のとおりです。
◼︎ 補助率
助成対象経費の1/2以内
◼︎ 補助上限額
1,000万円
◼︎ 内訳・支援枠
単一枠: 上限1,000万円・補助率1/2(クラウド化の助成限度額は300万円)
対象となる事業者
本補助金の対象となる事業者は以下のとおりです。申請前に自社が要件を満たしているかご確認ください。
- 中小企業強靭化法に基づく「連携事業継続力強化計画」に申請し、認定を受けていること
- 代表者は「連携事業継続力強化計画」認定時と同一であり、参加者は「連携事業継続力強化計画」認定時に連携に参加していること
- 代表者および参加者が中小企業者・中小企業団体・個人事業主のいずれかに該当すること
- 申請日時点で代表者および参加者全体の過半数が東京都内に登記簿上の本店又は支店を有し、東京都内で実質的に1年以上事業を行っていること
- 代表者は東京都内に本店又は支店を有している必要があること
- 上記に該当しない者は、東京都を除く首都圏(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県及び山梨県)に登記簿上の本店又は支店を有していること
- 代表者および参加者が以前に、連携型BCP実践促進助成金の交付を受けたことがないこと
- 同一の内容(経費)で、公社・国・都道府県・区市町村等から重複して助成金又は補助金の交付を受けていないこと
- 金融業・保険業(保険業の保険媒介代理業を除く)、農林水産業を営んでいないこと
- 事業税等を滞納(分納)していないこと
- 東京都及び公社に対する賃料・使用料等の債務の支払いが滞っていないこと
対象経費
補助対象となる経費は以下のとおりです。公募要領で定める範囲を超える経費は対象外となるため、申請時には個別に確認してください。
- 緊急時用の発電機、ポータブル電源、無停電電源装置(UPS)
- 従業員等の安否確認を行うためのシステムの導入又はサブスクリプション契約によるサービスの利用
- ストレージデバイス(HDD等)に通信機能を備えたもの(NAS)、クラウドサービスによるNASを使用したデータのバックアップ
- 地震対策としての制震・免震ラックへの買い替え、飛散防止フィルム、転倒防止装置の設置等
- 緊急時用の従業員用非常食(水・食料等)、簡易トイレ、毛布、簡易浄水器等の備蓄品
- 災害対策用物品設備(土嚢、止水板等)の購入(ハザードマップの提出が必要)
- 感染症を想定したもの(マスク、消毒液、体温計等)
- BCPの補完として実施する基幹システムの防災力強化のため使用する既存のSaaSの導入
- 耐震診断
◼︎ 対象外となる経費・事項
- 建物・構築物の建築、増築、改築、改修、および土木工事建物付属設備の設置・補修工事に係る経費
- 保険料
- 自社の社員の人件費
- 維持管理費、機器等の保守費、サポート費
- 運営、業務等委託費、通信費
- ドキュメント作成費、操作等の教育費用、機器又はクラウドサービス提供元の導入支援費用
- 設計費、改修費、開発費、契約にかかる保証金
- 消費税その他の租税公課、共通仮設費、現場管理費、一般管理費に含まれる経費
- 既存設備等の撤去・処分のための工事に要した撤去費、移設費、処分費
- 消耗品、汎用性の高い備品、機器等に係る経費(乾電池、文房具類、パソコン・スマートフォン・タブレット、日常使い可能なモバイルバッテリー等)
- 借入金などの支払利息及び遅延損害金
- 数量・品質・価格的に過剰とみなされる設備を設置する経費
- 中古品の購入に係る経費
- リースによる設置や割賦販売で購入する設備に係る経費
- 親会社、子会社、グループ企業等、関連会社との取引により発生する経費
- 予備の生産設備・業務システム(NAS予備機、ポータブル電源予備機等)
- 5年間保存、使用ができないもの(保存期限の短い非常食、保証期間の短いポータブル電源など)
申請スケジュール
受付期間は2026-05-13から2026-05-19までです。事業実施期間は4か月以内(第1回:令和8年8月1日~11月30日、第2回:令和8年12月1日~令和9年3月31日、第3回:令和9年4月1日~7月31日)となっています。スケジュールがタイトなため、検討中の事業者は早めに準備を始めることをおすすめします。
審査のポイント
審査では、以下の観点から事業計画が評価されます。申請書の記載にあたっては、これらの項目を意識して具体的な内容を盛り込むことが重要です。
- ◼︎ 申請資格:本助成の資格要件に合致しているかどうかを審査します。連携事業継続力強化計画の認定を受けているか、代表者・参加者の要件を満たしているかなど、基本的な資格要件の確認を行います。
- ◼︎ 経営面:財務内容、企業概要等から助成対象先として妥当性があるかどうかを審査します。安定した経営基盤があり、助成事業を適切に実施できる体制が整っているかを確認します。
- ◼︎ BCPの内容の妥当性:想定リスクの分析が具体的かつ適切で、妥当性があるかどうか、BCPの実行をする上で必要な項目が記載されているかどうかを審査します。リスク分析の具体性と対策の適切性が重要な評価ポイントとなります。
- ◼︎ 設備導入の必要性・妥当性:導入する設備、物品がBCPに明記してあり、かつ最低限必要なものであるかどうか、数量やスペック等が過剰でないかどうか、導入する設備、物品が市場にある類似製品と比較して高額ではないかどうか、導入する設備、物品が公的資金を財源とする助成金の交付対象として適切かどうか、導入する設備、物品がBCPの実践に効果が認められるかどうか、設置場所がリスク低減を図る上で適切な場所であるかどうかを総合的に評価します。
活用にあたっての注意点
本補助金を活用するにあたり、特に留意しておきたいポイントは以下のとおりです。
- 本助成金には審査があり、審査項目の1つに設備導入の必要性・妥当性があります。ポータブル電源等、一般的に購入可能な物品については市場価格を参考に審査を行います
- 開発費・設計費は対象外です。クラウドサービスの申請で、自社仕様にするための開発を伴う申請は対象外となります
- 予備機は対象外です。予備のNASや予備のポータブル電源等、予備の物品・設備等は対象外です
- 他の中小企業・小規模企業者等から提出された申請と同一若しくはきわめて類似した内容の事業を申請した場合は、不採択となります
- 申請書類の連絡担当者は、申請事業者の役員及び従業員に限ります。販売業者、社外顧問、経営コンサルタント等は連絡担当者にできません
- 交付決定前に契約・発注・設置した器具は助成の対象となりません
- 工事費を伴わない1基30万円(税抜)以上の機器や物品の購入は、同一製品による2社以上からの見積書の提出が必要です
- 工事費を伴う機器や物品の購入およびクラウドサービス導入費用は、金額問わず同一製品による2社以上からの見積書の提出が必要です
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