東京都では、東京都内の中小企業者等が、都市課題の解決に向けた支援テーマ(安全・安心、介護、高齢者・障害者、DX、暑さ対策)に沿って事業化を目指す製品・サービスの試作品の開発・改良を行う場合に、その経費の一部を助成する制度。助成限度額は2,000万円、助成率は助成対象経費の2/3以内。助成対象期間は令和8年12月1日から令和10年8月31日までの最長1年9か月。本記事では、制度の概要・補助率・対象経費・申請スケジュール・注意点までを公募要領ベースで整理してお届けします。
- 実施機関
- 東京都中小企業振興公社
- 対象地域
- 東京都
- 受付期間
- 2026-06-04〜2026-07-03
- 事業実施期間
- 令和8年12月1日~令和10年8月31日(最長1年9か月)。上記対象期間内に申請書「達成目標」を満たす試作品(成果物)の完成が助成条件となります。
- 補助上限額
- 2,000万円
- 補助率
- 助成対象経費の2/3以内
制度の目的と背景
この「課題解決型技術開発促進事業(試作品開発・改良助成)(以下、「本助成事業」という)」は、都内の中小企業者等に対して、東京都が策定した長期ビジョンである「2050 東京戦略※」の実現のための都市課題の解決に向けた支援テーマ(安全・安心、介護、高齢者・障害者、DX、暑さなど)に沿って事業化を目指す製品・サービスの試作品の開発・改良に要する経費の一部を助成することにより、東京の産業の活性化につなげることを目的としています。
補助率と上限額
本補助金の補助率と上限額は以下のとおりです。
◼︎ 補助率
助成対象経費の2/3以内
◼︎ 補助上限額
2,000万円
◼︎ 内訳・支援枠
単一枠: 上限2,000万円・補助率2/3
対象となる事業者
本補助金の対象となる事業者は以下のとおりです。申請前に自社が要件を満たしているかご確認ください。
- 中小企業者(法人及び個人事業者)で、業種ごとの資本金・従業員要件を満たすもの(製造業・建設業・運輸業・その他の業種: 3億円以下又は300人以下、卸売業: 1億円以下又は100人以下、サービス業: 5千万円以下又は100人以下、小売業: 5千万円以下又は50人以下等)
- 中小企業団体等
- 東京都内での創業を具体的に計画している者(創業予定の個人)
- 大企業が実質的に経営に参画していないこと
- 基準日現在で東京都内に登記簿上の本店又は支店があること
- 基準日現在で東京都内事業所で実質的に1年以上事業を行っている、または東京都内で創業し引き続く事業期間が1年に満たない者
- 助成事業の成果を活用し、東京都内で引き続き事業を営む予定であること
- 助成事業の実施場所は自社の事業所、工場等であること(賃借の場合を含む)で原則として都内であること
- 同一の申請テーマ・内容(経費)で公社・国・都道府県・区市町村等から助成等を受けていないこと
- 事業税等を滞納(分納)していないこと
- 東京都及び公社に対する賃料・使用料等の債務の支払いが滞っていないこと
対象経費
補助対象となる経費は以下のとおりです。公募要領で定める範囲を超える経費は対象外となるため、申請時には個別に確認してください。
- 原材料・副資材費: 開発・改良する試作品の構成部分、開発・改良の実施に直接使用し消費される原料、材料及び副資材の購入に要する経費(鋼材、機械部品、電機部品、化学薬品、試験用部品等)
- 機械装置・工具器具費: 試作品の開発・改良の実施に直接使用する機械装置・工具器具の購入、リース、レンタル、据付に要する経費(試作金型、計測機械、測定装置、サーバ、ソフトウェア、クラウドサービス利用料等)。1件あたりの単価が税抜100万円以上の購入品については、原則2者以上の見積書が必要
- 委託・外注費: ①研究開発に要する経費(自社内で直接実施することができないものについて、外部事業者等へ委託する場合)、②共同研究に要する経費、③ユーザーテストに要する経費(マーケティングを生業とする事業者に依頼し、開発した試作品を特定のユーザーに無償貸与し、一般公開せずに実施するテスト・評価)。1契約あたり税抜100万円以上については原則2者以上の見積書が必要
- 産業財産権出願・導入費: ①開発・改良した試作品の特許・実用新案・意匠・商標の出願に要する経費(外国出願に係る現地代理人費用、翻訳料も含む)、②特許・実用新案・意匠・商標を他の事業者・個人から譲渡又は実施許諾を受ける場合の経費
- 直接人件費: 試作品の開発・改良に係る工程に直接従事する者の人件費(仕様策定、試作開発、成形加工、検証事務、システム組込、デザイン等)。人件費単価(時間給)×従事時間で算出。助成金交付申請額は1,000万円が上限。従事時間の上限は1人につき1日8時間、年間1,800時間
- 専門家指導費: 試作品の開発・改良について外部(専門家)の技術指導を受ける場合に要する経費(外部専門家の技術指導への謝金等)
- 規格認証・登録費: ①開発・改良した試作品の規格等の認証・登録に要する経費、②開発・改良した試作品の規格等の認証登録に係る外部専門家の技術指導、研修などを受ける場合に要する経費
◼︎ 対象外となる経費・事項
- 発注又は契約、取得・実施、支払いまでの一連の手続きが助成対象期間内に行われていない経費
- 助成事業に直接関係のない経費(完了時点で未使用の購入原材料等を含む)
- 開業、運転資金などの開発・改良以外の経費
- 所有権が助成事業者に帰属しない取得財産に係る経費
- 一般的な市場価格又は開発・改良の内容に対して著しく高額な経費
- 消費税、収入印紙代、振込手数料、通信費、光熱費、自社の交通費、事務用品費等の間接経費
- 建物附帯設備とその工事に係る経費
- 親会社、子会社、グループ企業等関連会社との取引により生じる経費
- 東京都暴力団排除条例に規定する暴力団関係者等・反社会勢力との取引により生じる経費
- 汎用性があり、目的外使用になり得るものの購入、レンタル、及びリースに要する経費(ただし、助成事業にのみ使用することが明らかなものは除く)
申請スケジュール
受付期間は2026-06-04から2026-07-03までです。事業実施期間は令和8年12月1日~令和10年8月31日(最長1年9か月)。上記対象期間内に申請書「達成目標」を満たす試作品(成果物)の完成が助成条件となります。となっています。スケジュールがタイトなため、検討中の事業者は早めに準備を始めることをおすすめします。
審査のポイント
審査では、以下の観点から事業計画が評価されます。申請書の記載にあたっては、これらの項目を意識して具体的な内容を盛り込むことが重要です。
- ◼︎ 適合性:支援テーマとの整合性、東京の都市課題解決への貢献度を評価する。申請者は支援テーマ(持続可能で安全・安心な東京の実現、高齢者・障害者のニーズを満たすもの又は介護従事者の負担軽減、DXの推進、暑さ対策)のいずれかに該当することを明確に示し、具体的にどのような都市課題を解決するかを詳細に説明することが重要。
- ◼︎ 優秀性:技術・サービス等における先進的な新しい開発要素、技術的・実用的な優位性を評価する。従来技術との差別化ポイント、新規性・独創性、競合他社に対する技術的優位性を具体的なデータや実証結果とともに示すことで高評価を得られる。特許出願予定や既存特許の活用状況も評価対象となる。
- ◼︎ 市場性:販売戦略、競争優位性を評価する。ターゲット市場の規模と成長性、競合分析、販売チャネルの確保状況、価格設定の妥当性、事業化後の売上予測を具体的な市場データとともに示すことが重要。既に顧客からの引き合いがある場合や販売代理店との提携が決まっている場合は高く評価される。
- ◼︎ 実現性:開発体制、開発計画、開発後の事業推進体制を評価する。開発チームの技術力・経験、プロジェクト管理体制、開発スケジュールの実現可能性、必要な設備・環境の確保状況、外注先の選定理由と技術力を詳細に示すことが求められる。過去の類似開発実績があれば積極的にアピールすべき。
- ◼︎ 妥当性:計画全体の確実性、資金計画、投資規模及び申請経費の適切性を評価する。開発に必要な経費の積算根拠、各経費の必要性と妥当性、自己資金の確保状況、事業化に向けた追加投資計画を具体的に示すことが重要。見積書の妥当性や複数社からの見積もり比較も評価対象となる。
活用にあたっての注意点
本補助金を活用するにあたり、特に留意しておきたいポイントは以下のとおりです。
- 達成目標の全ての内容について達成したことを公社が確認できなかった場合は、事業完了とならず、助成金は交付されません
- 申請書提出後、達成目標の変更はできません
- 助成事業の成果を活用した製品の販売(営業行為を含む)は、助成事業の完了後(完了検査の翌日以降)から可能です
- Jグランツを利用するには「GビズIDプライム」アカウントの発行が必要で、国の審査によりID発行まで時間がかかるため余裕をもって準備が必要
- 1件あたりの単価が税抜100万円以上の機械装置・工具器具費及び1契約あたり税抜100万円以上の委託・外注費を申請する場合は2者分以上の見積書提出が必須
- 助成対象とする機械装置・工具器具は、原則申請書記載の助成事業実施場所に設置・保管し、完了検査において公社の確認を受ける必要がある
- マイナンバーが記載された書類は受領できないため、確定申告書や開業届等でマイナンバーが記載されている場合は黒塗りやマスキング処理等を施し番号が判別できないようにする必要がある
- 支払方法は助成事業者名義の金融機関口座からの振込払いを原則とし、現金・クレジットカードによる支払いは条件を満たす場合のみ助成対象となる
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