佐賀県では、佐賀県内のものづくり事業者が主体となって新技術開発、新製品開発、知財開発、事業多角化、特許出願に取り組む事業に対して補助する。消耗品費を除く各経費区分が補助対象経費の合計額の2分の1以内という制限がある。事業実施期間は補助事業の交付決定が行われた会計年度内。審査会で評価され、補助事業者が間接補助事業者を選定する。本記事では、制度の概要・補助率・対象経費・申請スケジュール・注意点までを公募要領ベースで整理してお届けします。
- 実施機関
- 公益財団法人佐賀県産業振興機構
- 対象地域
- 佐賀県
- 事業実施期間
- 間接補助事業の事業実施期間は、間接補助事業の交付決定が行われた会計年度内とする。ただし、要綱第9条第2項第1号の規定に基づき、その期間は適切な期間に設定するものとする。
- 補助上限額
- (公募要領参照)
- 補助率
- 要綱第4条第2項付表による(具体的な補助率は本要領では記載なし)
制度の目的と背景
この要領は、さが「きらめく」ものづくり産業創生応援事業費補助金(以下「補助金」という。)交付要綱(以下「要綱」という。)に基づき、公益財団法人佐賀県産業振興機構(以下「補助事業者」という。)が実施するさが「きらめく」ものづくり産業創生応援事業費補助金新技術・新製品開発等補助事業(以下「補助事業」という。)に関し、佐賀県(以下「県」という。)が補助を行う際に必要な事項を定めることにより、事業の円滑な事務運営を図るものである。
補助率と上限額
本補助金の補助率と上限額は以下のとおりです。支援枠や取り組み内容によって金額が分かれているため、自社の計画に応じて確認が必要です。
◼︎ 補助率
要綱第4条第2項付表による(具体的な補助率は本要領では記載なし)
◼︎ 内訳・支援枠
5分野あり:(1)新技術開発分野:県内ものづくり事業者が主体となって新技術の開発又は自社が保有する独自技術の高度化又は新製品開発等に繋がる基盤技術等の確立に挑戦する事業、(2)新製品開発分野:県内ものづくり事業者が主体となって試作品開発や新製品に繋がる応用的な研究開発を行うことにより新たな製品を市場に流通させるために取り組む事業、(3)知財開発分野:県内ものづくり事業者が主体となって開放特許等の知的財産を活用し新製品開発やより高度な生産能力の獲得を目指す事業、(4)事業多角化分野:県内ものづくり事業者が主体となって事業多角化による企業の経営力の強化に挑戦するために自社が保有する技術や製品に新たな価値を付すための商品開発や、自社が保有する技術や製品等の認知度向上、販売促進等を目的として実施するプロモーション等を実施する事業、(5)特許等出願分野:県内ものづくり事業者が考案した新技術等について日本国特許庁へ特許出願等を行う事業
対象となる事業者
本補助金の対象となる事業者は以下のとおりです。申請前に自社が要件を満たしているかご確認ください。
- 有機又は無機の物質に物理的、化学的変化を加えた新たな製品の製造を行い、自社製品の販売を行う業務を行う者
- 製品企画等を業務とし、生産設備は持たないもののOEM委託生産等により、自社製品の販売を行う業務を行う者
- 船舶の修理、鉄道車両の修理又は改造(自家用を除く)を行う業務を行う者
- 航空機及び航空機用原動機のオーバーホールを行う業務を行う者
- 金属機械又は金属加工機械をすえ付け、多種多様の機械及び部分品の製造加工と修理を行う業務を行う者
- 暴力団、暴力団員、暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者、自己、自社若しくは第三者の不正な利益を図る目的又は第三者に損害を与える目的をもって暴力団又は暴力団員を利用している者、暴力団又は暴力団員に対して資金等を提供し又は便宜を供与する等直接的又は積極的に暴力団の維持運営に協力し又は関与している者、暴力団又は暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有している者、暴力団又は暴力団員であることを知りながらこれらを利用している者ではないこと
対象経費
補助対象となる経費は以下のとおりです。公募要領で定める範囲を超える経費は対象外となるため、申請時には個別に確認してください。
- 消耗品費:間接補助事業において実施する研究開発又は製品開発等を行う上で必要な試薬及び資材、原材料等消耗品の購入に要する経費又は1品の取得価格又は取得評価額が10万円未満である物品の購入に要する経費。ただし購入する消耗品の数量は必要最小限にとどめ、間接補助事業終了時に使い切ることを原則とし、間接補助事業終了時での未使用残存品は間接補助対象外
- 備品費:消耗品費の対象である物品を除いた物品の購入に要する経費。性質及び形状を変えることなく比較的長期の使用又は保存に耐えられる物品であって、1品の取得価格又は取得評価額が10万円以上である物品の購入及び当該物品購入時に付随する消耗品等やすえ付けに要する経費
- 報償費:外部専門家等からの役務の提供等に対する謝礼
- 費用弁償:外部専門家等の役務を実施するために要する旅費
- 役務費:サービスの提供に対して支払われる経費、間接補助事業の実施に必要な試料、試作品等の輸送を外部事業者に依頼する際に必要な経費、間接補助事業の実施に必要な試験、分析、検査を外部分析機関に依頼する際に必要な経費、システム保守等、間接補助事業において整備したシステムの運用・保守に要する経費
- 委託料:事業において必要な業務を外部機関に委託する際に要する経費、間接補助事業において実施する研究開発又は製品開発の一部を県立試験研究機関や大学等又はその他の事業者に委託する際に必要な経費、間接補助事業を実施するために試作品等の一部の加工を外部に委託する際に必要な経費、間接補助事業に関わる課題の解決等のために外部専門家のアドバイスを依頼する際に必要な経費、契約書等の書面に基づき中長期的なコンサルティングを外部機関に依頼する際に必要な経費
- 賃借料:間接補助事業のために使用される機械・装置、工具及び専用ソフトウェアの借用に要する経費
- 知財関連経費:間接補助事業に関わる特許等出願関連費、調査委託費用等、間接補助事業に関わる知財に関する開発関連費用、設計試作費、評価費用等、外部機関等からの知的財産権等の導入に要する経費
- その他:その他知事が必要と認める経費
◼︎ 対象外となる経費・事項
- 交付決定日よりも前に発注又は購入、契約等を実施したものに係る経費
- 他者が有する特許権等の使用許諾(ライセンス)料
- 販売を目的とした製品、商品等の生産に係る経費
- 家賃、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費に係る経費
- 不動産の購入、既存物件の改築(室内壁等の撤去等容積率を変更しない改築や物件の増築等を含む)等、自動車等車両の購入、修理、車検に係る経費
- 電話代、インターネット利用料金等の通信費、クラウド利用に係る経費
- 文房具などの汎用性の高い事務用品等の消耗品、雑誌・新聞購読、団体等会費に係る経費
- 汎用性があり、目的外使用として他業務においても利用可能な物品購入に係る経費(例:事務用のパソコン、プリンタ、タブレット端末、スマートフォン、デジタル複合機等)
- 中古市場においてその価格設定の適正性が明確でない中古品の購入に係る経費
- 飲食、奢侈、娯楽、接待等に係る経費
- 商品券等の金券に係る経費
- 各種保険料に係る経費
- 振込等における手数料に係る経費(代金引換手数料を含む)
- 収入印紙に係る経費
- 公租公課(消費税及び地方消費税額等)に係る経費
- 借入金などの支払利息及び遅延損害金に係る経費
- 税務申告、決算書作成等のために税理士、公認会計士等に支払う経費及び訴訟等のための弁護士に支払う経費
- 補助金事業計画書、交付申請書等の書類作成、送付に係る経費
- 上記のほか、公的資金の用途として社会通念上不適切と認められる経費
申請スケジュール
事業実施期間は間接補助事業の事業実施期間は、間接補助事業の交付決定が行われた会計年度内とする。ただし、要綱第9条第2項第1号の規定に基づき、その期間は適切な期間に設定するものとする。となっています。スケジュールがタイトなため、検討中の事業者は早めに準備を始めることをおすすめします。
審査のポイント
審査では、以下の観点から事業計画が評価されます。申請書の記載にあたっては、これらの項目を意識して具体的な内容を盛り込むことが重要です。
- ◼︎ 必要性:事業の必要性がどの程度あるか、社会的課題の解決や市場のニーズに対応しているか、技術や製品の開発が急務であるかなどが評価される。事業実施の背景や理由を明確にし、なぜこの事業が今必要なのかを具体的に説明することで高得点が期待できる。
- ◼︎ 新規性・独創性:開発する技術や製品が既存のものと比較してどの程度新しく独創的であるかが評価される。従来技術との違いを明確にし、技術的優位性や独創的なアイデアを具体的に示すことで高評価につながる。特許性や競合優位性を明確に示すことが重要である。
- ◼︎ 事業計画の実現可能性:事業計画が現実的で実行可能であるかが評価される。技術的な課題解決の見通し、必要なリソースの確保、スケジュールの妥当性、実施体制の適切性などが審査される。具体的な実行計画と課題への対処法を明確にすることで高評価を得られる。
- ◼︎ 事業費の妥当性:申請する事業費が事業内容に対して適切で合理的であるかが評価される。各費目の積算根拠が明確で、必要最小限の経費で最大限の効果が得られる計画であることを示すことが重要。見積書の精度や経費配分の合理性が審査される。
- ◼︎ 事業成果の市場性:開発する技術や製品の市場性や商業化の可能性が評価される。市場規模、顧客ニーズ、販売戦略、収益性の見通しなどが審査される。具体的な販路や顧客を想定し、事業化への道筋を明確に示すことで高得点が期待できる。
- ◼︎ 事業成果の将来性:事業成果の将来的な発展性や持続性が評価される。技術の応用可能性、事業拡大の可能性、長期的な競争力の維持などが審査される。事業終了後の継続的な発展や新たな展開の可能性を具体的に示すことが重要である。
- ◼︎ 事業実施の妥当性:事業を実施する体制や方法が適切であるかが評価される。実施者の技術力、経験、設備、人員体制などが事業内容に見合っているかが審査される。過去の実績や専門性を示し、確実に事業を遂行できる能力があることを証明することで高評価を得られる。
- ◼︎ DX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション)、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献度:事業がデジタル化推進、環境負荷軽減、持続可能な社会の実現にどの程度貢献するかが評価される。IoTやAIの活用、省エネルギー・省資源、環境配慮、社会課題解決への寄与度が審査される。これらの観点を事業計画に組み込み具体的な効果を示すことで加点が期待できる。
◼︎ 加点項目
以下のいずれかに該当する事業者は、審査において加点の対象となります。
- 間接補助事業の申請時点において、「パートナーシップ構築宣言」に登録し、公開されているものづくり事業者に対しては加点を行う
活用にあたっての注意点
本補助金を活用するにあたり、特に留意しておきたいポイントは以下のとおりです。
- 間接補助金を受けようとするものづくり事業者は、消耗品費を除く各経費区分に計上されている補助対象経費の額(税抜額)が補助対象経費の合計額(税抜額)の2分の1以内であることが必要
- 単に製品を選別する業務及び包装の作業を行う業務、土地に定着する工作物を建築する業務、自動車整備・機械等修理等を含む物品の整備・修理に係る技能・技術を提供するサービスを行う業務(一部例外あり)、総務省日本標準産業分類「大分類M 宿泊業,飲食サービス業」に規定された業務は対象から除外される
- 補助事業者は間接補助事業者から間接補助事業の実施を希望するものづくり事業者から提出を受けた誓約書に基づき、県に対して佐賀県警察本部に照会を行うように依頼する(反社チェック)
- 新技術開発分野・新製品開発分野・知財開発分野・事業多角化分野の間接補助事業者に対して間接補助事業を実施した年度の次の年度から5年間、成果等活用状況報告書の提出が必要
- 特許等出願分野については、査定結果を受領するまでまたは出願審査請求をしないまま3年間が経過して特許出願が取り下げたとみなされるまで毎年3月末時点での査定状況報告書の提出が必要
- 特許等出願分野に限り、補助事業者の判断で審査会を書類審査とすることができる
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