沖縄県では、沖縄県内の中小企業者を対象とした事業承継促進のための補助金。親族内承継・従業員承継・第三者承継(M&A)に要する経費を支援。補助上限額100万円、補助率2/3以内で年間11件程度を採択予定。事前相談が必須で専門コーディネーターによる支援を提供。本記事では、制度の概要・補助率・対象経費・申請スケジュール・注意点までを公募要領ベースで整理してお届けします。
- 実施機関
- 沖縄県産業振興公社(沖縄県からの委託)
- 対象地域
- 沖縄県
- 受付期間
- 2026-04-23〜2026-06-19
- 事業実施期間
- 交付決定日から令和9年2月末日まで
- 補助上限額
- 100万円
- 補助率
- 2/3以内
制度の目的と背景
本補助金は、後継者不在率が高い本県の状況を踏まえ、事業の継続と雇用の維持、技術の伝承を図る観点から、県内中小企業等の事業承継、経営資源の引継ぎを促進するとともに、持続的な成長に繋げるため、県内中小企業者の事業承継及び事業承継を実施する過程で行う経営改善に要する経費の一部を補助することにより、後継者不在の状況を改善し、世代交代を通じた持続的な県経済の活性化を図ることを目的とする。
補助率と上限額
本補助金の補助率と上限額は以下のとおりです。
◼︎ 補助率
2/3以内
◼︎ 補助上限額
100万円
◼︎ 内訳・支援枠
単一枠のみ: 上限100万円・補助率2/3以内・交付予定件数11件程度
対象となる事業者
本補助金の対象となる事業者は以下のとおりです。申請前に自社が要件を満たしているかご確認ください。
- 親族内承継、従業員承継又は第三者承継(M&A)に取組む県内に本社を有する中小企業者
- 県内の事業所で常時使用する従業員がいる者(第三者承継の場合は常時使用する従業員がいなくとも対象)
- 製造業その他の業種:従業員数300人以下又は資本金又は出資総額3億円以下
- 卸売業:従業員数100人以下又は資本金又は出資総額1億円以下
- 小売業:従業員数50人以下又は資本金又は出資総額5,000万円以下
- サービス業:従業員数100人以下又は資本金又は出資総額5,000万円以下
- 発行済み株式の総数又は出資価額の総額の2分の1以上を大企業に所有されていない者
- 発行済み株式の総数又は出資価額の総額の3分の2以上を複数の大企業に所有されていない者
- 大企業の役員又は職員を兼ねている者が役員総数の2分の1以上を占めていない者
- 風俗営業等を行わない者
- 株主代表が大企業でない者
対象経費
補助対象となる経費は以下のとおりです。公募要領で定める範囲を超える経費は対象外となるため、申請時には個別に確認してください。
- 委託費:補助対象事業を実施するために必要な業務の一部を第三者に委託(委任)するために支払われる経費。贈与/相続に向けた株価評価とシミュレーションや経営改善のための外部専門家(コンサルタント等)の経費
- 外注費:補助対象事業を実施するために必要な業務の一部を第三者に外注(請負)するために支払われる経費。HPの開設や改修など業務を外部へ発注する経費
- 謝金:補助対象事業を実施するために必要な謝金として、専門家等に支払われる経費。専門家は士業及び大学博士・教授等に限定
- マーケティング調査費:市場調査費など。実績報告時に市場調査の結果をまとめた成果物の提出が必要
- 広報費:補助対象事業に係る広告宣伝費など。事業承継にあたって必要な経費である明確な理由が必要
- 旅費:補助対象事業を実施するために必要な国内出張及び海外出張に係る経費の実費。定められた細かなルールがある
- 会場賃借料:補助対象事業を実施するために必要な会議費及び会場借料などの経費。実績報告時に会議等の議事録の提出が必要
- 材料費:試供品・サンプル品の製作に係る経費。原材料として明確に特定できるもの(補助事業期間内に使用するもの)に限定
- 知的財産等関連経費:事業承継に関連して必要となる国内・外国特許等取得費
- 廃業費用:廃業登記費、在庫処分費、解体費、原状回復費
- システム利用料:承継先候補とのマッチングのためのプラットフォーム等への登録料及び利用料(第三者承継のみ)
◼︎ 対象外となる経費・事項
- 申請書(事業承継計画含む)の作成にかかる経費
- 消費税額及び地方消費税額
- 個別具体的な案件に関する訴訟・トラブル対応に係る経費
- 官公署に対する各種証明類の取得費用(情報提供サービス利用料や登記証明書など)
申請スケジュール
受付期間は2026-04-23から2026-06-19までです。事業実施期間は交付決定日から令和9年2月末日までとなっています。スケジュールがタイトなため、検討中の事業者は早めに準備を始めることをおすすめします。
審査のポイント
審査では、以下の観点から事業計画が評価されます。申請書の記載にあたっては、これらの項目を意識して具体的な内容を盛り込むことが重要です。
- ◼︎ 事業承継の必要性:経営者の年齢や事業承継予定時期など、事業承継の必要性や緊急性があるかを評価。高齢の経営者で早期の事業承継が必要な場合や、明確な承継スケジュールがある場合に高評価となる
- ◼︎ 事業承継計画の具体性・有効性:申請計画及び実施時期が明確で、かつ具体的かを評価。現状や課題に対して有効な計画及び対策になっているかを審査。具体的なスケジュール、承継手順、課題解決策が明記されており、実現可能性が高い計画が高評価
- ◼︎ 事業承継の実現性:計画内容やスケジュール等に無理がなく、事業承継の実現可能性は高いかを評価。後継者の能力、企業の財務状況、承継に必要な資源の確保等を総合的に判断し、現実的で実行可能な計画を高く評価
- ◼︎ 重要性:売上規模や従業員数など、地域経済への貢献度が高く、事業承継の重要性が認められるかを評価。地域の雇用維持、経済活動への影響度、業界での位置づけ等を考慮し、地域経済に不可欠な企業を高く評価
- ◼︎ 継続性・成長性・発展性:事業承継後も継続的に事業を実施し、将来的な成長・発展が見込まれるかを評価。後継者の経営方針、新たな取組計画、市場での競争優位性等を総合的に判断し、承継後の持続的発展が期待できる事業を高く評価
- ◼︎ 加点措置:沖縄県が推奨する5制度に認証・承認された企業を加点対象とする。対象制度の認証・承認を受けることで審査において優遇され、採択の可能性が向上する
◼︎ 加点項目
以下のいずれかに該当する事業者は、審査において加点の対象となります。
- 沖縄県所得向上応援企業認証制度の認証を受けていること(有効期限内の認証状の写しを添付)
- 沖縄県ワーク・ライフ・バランス企業認証制度の認証を受けていること(有効期限内の認証状の写しを添付)
- 沖縄県人材育成企業認証制度の認証を受けていること(有効期限内の認証状の写しを添付)
- パートナーシップ構築宣言を行っていること(有効期限内の承認書の写しを添付)
- 経営革新計画認証制度の承認を受けていること(承認を受けた計画期間に補助予定期間が含まれていること、有効期限内の承認書の写しを添付)
活用にあたっての注意点
本補助金を活用するにあたり、特に留意しておきたいポイントは以下のとおりです。
- 申請前の事前相談が必須。事前相談を受けていない事業者は申請することができない
- 5年以内に事業承継を行う「事業承継計画」を有することが必要(親族内承継・従業員承継の場合のみ、第三者承継は不要)
- 補助事業の開始(交付決定日)前に「発注/契約」した経費は補助対象外
- 補助事業の事業完了日(令和9年2月末日)までに「支払」を完了する必要がある
- 原則として契約1件あたり10万円以上(税込)の金額を発注する場合は相見積書の提出が必要
- 源泉徴収を行う必要のある経費については、補助対象者において補助対象期間内に税務署への納付を示す資料を実績報告時に提出する必要
- 支払いの事実に関する客観性の担保のため、発注先事業者等への支払いは原則金融機関振込払いのみ
- 経理書類を事業期間の終了年度の翌年度以降5年間保存する必要
- 予算上限に達し次第、締め切る場合がある
- 過去に本補助金の交付を受けていないこと
- 当該年度に申請する事業と同様の内容で国や県が実施する補助事業に採択されていないこと(二重補助の禁止)
掲載ページ:https://j-net21.smrj.go.jp/snavi2/articles/182999
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