奈良県では、奈良県内の中小企業等を対象に、生産性向上のための機械装置等導入や店舗改装等の取組に要する経費を補助する制度。補助率は中小企業等1/2、小規模企業者等2/3。上限500万円、下限50万円。令和8年3月と比べて2.9%以上の賃上げが要件。商工会議所または商工会の伴走支援が必要。本記事では、制度の概要・補助率・対象経費・申請スケジュール・注意点までを公募要領ベースで整理してお届けします。
- 実施機関
- 奈良県(奈良県中小企業賃上げ環境整備支援補助金事務局)
- 対象地域
- 奈良県
- 受付期間
- 2026-05-26〜2026-07-31
- 事業実施期間
- 交付決定日以降から令和8年12月25日まで
- 補助上限額
- 500万円
- 補助率
- 中小企業等: 1/2以内、小規模企業者等: 2/3以内
制度の目的と背景
中小企業等が省力化や収益力の向上を通じた生産性向上を図るための取組に対する経費の一部を補助することにより、収益力の強化を通じた持続的な賃上げの実現を目指すことを目的とします。
補助率と上限額
本補助金の補助率と上限額は以下のとおりです。支援枠や取り組み内容によって金額が分かれているため、自社の計画に応じて確認が必要です。
◼︎ 補助率
中小企業等: 1/2以内、小規模企業者等: 2/3以内
◼︎ 補助上限額
500万円
◼︎ 内訳・支援枠
通常枠のみ: 中小企業等は補助対象経費の1/2以内・上限500万円、小規模企業者等(従業員数20人以下の製造業・宿泊業・娯楽業、5人以下の商業・サービス業、NPO法人・社会福祉法人で従業員20人以下)は補助対象経費の2/3以内・上限500万円
対象となる事業者
本補助金の対象となる事業者は以下のとおりです。申請前に自社が要件を満たしているかご確認ください。
- 日本国内で法人登記され国税庁法人番号公表サイトで公表されていること
- 奈良県内に補助事業実施場所(工場・店舗・事務所等)を有すること
- 令和8年3月時点で常時使用する従業員数が1人以上であること
- 中小企業者: 製造業・建設業・運輸業・旅行業等は資本金3億円以下かつ従業員300人以下、卸売業は資本金1億円以下かつ従業員100人以下、サービス業は資本金5000万円以下かつ従業員100人以下等
- 小規模企業者: 製造業等は従業員20人以下、商業・サービス業は従業員5人以下
- 特定事業者の一部: 従業員数500人以下かつ資本金10億円未満等
- 特定非営利活動法人: 従業員300人以下で収益事業を行い、中小企業等経営強化法の経営力向上計画認定を受けていること
- 社会福祉法人: 従業員300人以下で収益事業を行うこと
- みなし大企業に該当しないこと(大企業が議決権の50%超を保有していない等)
- 直近過去3年分の課税所得年平均が15億円以下であること
対象経費
補助対象となる経費は以下のとおりです。公募要領で定める範囲を超える経費は対象外となるため、申請時には個別に確認してください。
- 機械装置等費: 事業計画に基づく生産性向上のための機械装置等購入・導入経費。汎用機器も事業専用であれば対象。50万円以上は処分制限財産
- システム構築費: 専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築・借用・改良・修繕経費。50万円以上は処分制限財産
- クラウド利用費: 事業に必要なクラウドサービス利用経費。令和9年3月分まで。関連するハードウェア・初期設定費用も含む
- 広報費: 事業実施のためのパンフレット・ポスター・チラシ作成・広報媒体活用経費。単なる会社PR不可。50万円以上のウェブサイト作成は処分制限財産
- 展示会等出展費: 商品等の展示会出展・商談会参加経費。交付決定前申込可(令和8年4月9日以降)。国・自治体助成との重複不可
- 旅費: 収益力向上のための出張旅費。県旅費基準準拠。公共交通機関利用が原則
- 開発費: 新商品試作品・包装パッケージ試作開発の原材料・設計・デザイン・製造・改良・加工経費
- 借料: 事業に直接必要な機器・設備のリース・レンタル料。事業実施期間分のみ
- 専門家謝金: 指導・助言を受ける専門家への謝礼。補助対象経費総額の2分の1が上限。大学教授等5万円/日以下
- 専門家旅費: 専門家への旅費支給
- 調査費: 販路開拓市場調査費。補助対象経費総額の3分の1が上限
- 委託・外注費: 店舗改装等の委託・外注経費。50万円以上の外注工事は処分制限財産対象
◼︎ 対象外となる経費・事項
- 本事業目的に合致しないもの
- 事業実施内容確認に必要な証憑を用意できないもの
- 一次産業専用の機器・物品
- 交付決定前の発注・契約・購入・支払い(展示会申込除く)
- 販売・有償レンタル目的の製品・商品生産・調達経費
- 光熱水費・電話代・インターネット利用料等通信費
- 商品券・金券購入費
- 文房具等事務用品・消耗品代
- 消毒用アルコール・使い捨てマスク等消耗品
- 雑誌購読料・新聞代・団体会費
- 茶菓・飲食・奢侈・娯楽・接待費用
- 金融機関振込手数料・代引手数料等
- 消費税・地方消費税・公租公課
- 収入印紙・官公署手数料・車検費用
- 各種保証・保険料
- フランチャイズ加盟金・保証金・ロイヤリティ
- 免許・特許取得・登録費
- 講習会・セミナー参加・受講費
- 借入金利息・遅延損害金
- 役員報酬・直接人件費
- 不動産購入・取得・修理費
- オークション購入
- 自社内部取引
- みなし大企業・暴力団関係者との取引
申請スケジュール
受付期間は2026-05-26から2026-07-31までです。事業実施期間は交付決定日以降から令和8年12月25日までとなっています。スケジュールがタイトなため、検討中の事業者は早めに準備を始めることをおすすめします。
審査のポイント
審査では、以下の観点から事業計画が評価されます。申請書の記載にあたっては、これらの項目を意識して具体的な内容を盛り込むことが重要です。
- ◼︎ 審査基準:申請内容から補助対象外事業者に該当しないか、補助対象要件を満たしているか、事業計画の妥当性、賃上げ計画の実現可能性等を総合的に審査。採択後に交付決定を行う。8月末に採択・交付決定予定。
活用にあたっての注意点
本補助金を活用するにあたり、特に留意しておきたいポイントは以下のとおりです。
- 必ず商工会議所または商工会の伴走支援を受けて事業計画書を作成する必要がある(相談申込期限は令和8年7月24日)
- 実績報告時に令和8年3月と比べて給与支給総額を2.9%以上増加させることが必須要件
- 賃上げ増加率は賃金台帳に登載された全従業員の所定内給与で算出し、賞与・法定福利費・福利厚生費・退職金・役員報酬は除く
- 事務局への実績報告まで賃金を引き上げ、報告以降の賃金引き下げは認められない
- 100万円以上の機械装置等購入時は2者以上からの見積が必要
- 50万円以上の機械装置・システム・店舗改装等は処分制限財産となり、一定期間の処分制限あり
- 電子システムによる申請が原則
- 補助対象経費は消費税抜きで計算し、実績報告で補助対象外経費が判明すれば補助金額減額
- 補助金下限50万円を下回る場合は補助金全体が交付されない
- 事業実施期間は令和8年12月25日までに契約・購入・設置・導入・支払完了が必要
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