全国(東京23区からの移転、地方での拡充)では、本社機能(管理部門や調査企画部門等を有する事務所や研究所、研修所)の一部又は全部を東京23区から地方に移転する場合、地方で拡充する場合、地方から別の地方に移転する場合に税制の優遇措置を受けることができる制度。移転型事業では建物等の取得価額に対して特別償却25%又は税額控除7%、雇用者増加数1人あたり最大90万円の税額控除。拡充型事業では特別償却15%又は税額控除4%、雇用者増加数1人あたり最大30万円の税額控除が適用される。本記事では、制度の概要・補助率・対象経費・申請スケジュール・注意点までを公募要領ベースで整理してお届けします。
- 実施機関
- 内閣府地方創生推進事務局
- 対象地域
- 全国(東京23区からの移転、地方での拡充)
- 事業実施期間
- 整備計画の認定を受ける必要があり、新設・増設の場合は建物の着工前まで、賃借の場合は賃貸借契約の締結前までに認定を受けること
- 補助上限額
- (公募要領参照)
- 補助率
- 税制優遇措置(補助ではない)
制度の目的と背景
国では、地方創生等の観点から、企業の本社機能(事務所、研究所、研修所)を移転や拡充する際に地方拠点強化税制等を措置。※移転を伴わない地方における本社機能拡充も対象。
補助率と上限額
本補助金の補助率と上限額は以下のとおりです。支援枠や取り組み内容によって金額が分かれているため、自社の計画に応じて確認が必要です。
◼︎ 補助率
税制優遇措置(補助ではない)
◼︎ 内訳・支援枠
移転型事業:オフィス減税(特別償却25%又は税額控除7%)、雇用促進税制(1人あたり最大90万円の税額控除)。拡充型事業:オフィス減税(特別償却15%又は税額控除4%)、雇用促進税制(1人あたり最大30万円の税額控除)
対象となる事業者
本補助金の対象となる事業者は以下のとおりです。申請前に自社が要件を満たしているかご確認ください。
- 本社機能(事務所、研究所、研修所)の一部又は全部を東京23区から地方に移転する事業者
- 地方で本社機能を拡充する事業者
- 東京23区以外の地方から別の地方に本社機能を移転する事業者
- 業種に制約はないが、工場や店舗は対象外
- 登記簿上の「本店」である必要はない
- 都道府県知事から整備計画の認定を受けた事業者
対象経費
補助対象となる経費は以下のとおりです。公募要領で定める範囲を超える経費は対象外となるため、申請時には個別に確認してください。
- 建物等の新設・増設・新築取得(建物等の取得価額が3,500万円以上(中小企業は1,000万円以上)の場合が対象。取得価額が80億円を超える場合、本税制の対象は80億円まで)
- 事務所:調査・企画部門、情報処理部門、研究開発部門、総務・人事部門、情報サービス事業部門、商業事業部門の一部(オンライン営業)、サービス事業部門の一部(調査、企画、人事業務等の受託事業)の業務のために使用される事務所
- 研究所:研究開発において重要な役割を担うもの(事務所以外の施設において研究開発を行う部門を含む)
- 研修所:人材育成において重要な役割を担うもの
- 子育て施設(特定業務児童福祉施設):保育所、学童等(令和6年度より対象、オフィス減税のみ)
◼︎ 対象外となる経費・事項
- 工場
- 店舗
- 首都圏の一部地域への移転
- 首都圏、中部圏、近畿圏の一部地域での拡充
- 建物・機械等を貸付けの用に供する場合
- 中古の建物・機械等の取得
申請スケジュール
事業実施期間は整備計画の認定を受ける必要があり、新設・増設の場合は建物の着工前まで、賃借の場合は賃貸借契約の締結前までに認定を受けることとなっています。スケジュールがタイトなため、検討中の事業者は早めに準備を始めることをおすすめします。
審査のポイント
審査では、以下の観点から事業計画が評価されます。申請書の記載にあたっては、これらの項目を意識して具体的な内容を盛り込むことが重要です。
- ◼︎ 移転型事業の要件:東京23区から地方に本社機能を移転する場合が対象。首都圏の一部地域への移転は対象外。都道府県知事から整備計画の認定を受けることが必要で、通常申請から認定まで概ね1ヶ月を要する。
- ◼︎ 拡充型事業の要件:地方で本社機能を拡充する場合や東京23区以外の地方から別の地方に移転する場合が対象。首都圏、中部圏、近畿圏の一部地域での拡充は対象外。整備計画の認定が必要。
- ◼︎ 雇用要件:雇用促進税制の適用には期間の定めのない雇用かつフルタイム雇用が条件。法人全体の雇用者増加数が上限となる。特定業務施設の雇用者数又は法人全体の雇用者数が減少した年以降は適用対象外。
◼︎ 加点項目
以下のいずれかに該当する事業者は、審査において加点の対象となります。
- 移転型事業における上乗せ分:特定業務施設の所在地が近畿圏及び中部圏の中心部以外の場合、1人あたり40万円の上乗せが最大3年間継続(近畿圏及び中部圏の中心部の場合は30万円)
- 新規採用者は転勤者より優遇:新規採用者は移転型90万円・拡充型30万円、転勤者は移転型80万円・拡充型20万円
活用にあたっての注意点
本補助金を活用するにあたり、特に留意しておきたいポイントは以下のとおりです。
- 税制等の優遇措置を受けることができない地域があるため、拠点の移転・立地先として検討している都道府県に事前確認が必須
- 整備計画の認定には一定の期間を要するため、早めに都道府県に相談すること
- 整備計画の認定を受けているからといって、税制優遇措置を必ず受けることができるわけではない。各措置に設定された要件を全て満たす必要がある
- 雇用促進税制とオフィス減税合わせて当期法人税額の20%が優遇の限度額
- 原則、同一年度において雇用促進税制とオフィス減税の併用はできないが、上乗せ分についてのみ併用可能
- 地方税(不動産取得税、固定資産税、事業税)の優遇措置は自治体によって対応が異なる
- 確定申告を必ず行うことが必要。確定申告の流れについて事前に管轄の税務署に確認すること
- 新設・増設の場合は建物の着工前まで、賃借の場合は賃貸借契約の締結前までに認定を受けること
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