有機農業の面的拡大を目的とし、農業者・協議会等がスマート農業技術に関する機械等の導入(必須)および資材導入・ほ場整備等の取組を実施する事業。補助率は1/2(一部定額)、上限額は5000万円。みどり認定者で有機農業の実績が2年以上ある者が対象。都道府県・市町村等が事業実施計画を作成し申請する。本記事では、制度の概要・補助率・対象経費・申請スケジュール・注意点までを公募要領ベースで整理してお届けします。
- 実施機関
- 農林水産省
- 対象地域
- 全国
- 事業実施期間
- 事業実施年度の翌々年度までに成果目標を達成
- 補助上限額
- 5,000万円
- 補助率
- 1(1)スマート農業技術等に関する機械等の導入: 2分の1、1(2)のア(資材導入等): 2分の1、1(2)のイ(その他取組): 定額、2有機農業拡大支援: 定額
制度の目的と背景
有機農業の更なる面的拡大を促進するため、スマート農業技術等の導入による地域の実情に応じた生産性向上や、有機農産物の保管や加工のための設備導入等を通じた販路の確保に取り組む農業者等を支援します。
補助率と上限額
本補助金の補助率と上限額は以下のとおりです。
◼︎ 補助率
1(1)スマート農業技術等に関する機械等の導入: 2分の1、1(2)のア(資材導入等): 2分の1、1(2)のイ(その他取組): 定額、2有機農業拡大支援: 定額
◼︎ 補助上限額
5,000万円
◼︎ 内訳・支援枠
1(1)+(2): 上限5000万円、1(2)のみ: 上限400万円、2有機農業拡大支援: 上限800万円(都道府県、市町村等実施)
対象となる事業者
本補助金の対象となる事業者は以下のとおりです。申請前に自社が要件を満たしているかご確認ください。
- 農業者
- 農業者の組織する団体
- 農業者を構成員とする協議会
- 地域計画の目標地図に位置付けられている又は位置付けられることが確実と見込まれること
- みどり認定を受けている又は認定を受けるための申請を行っており、事業実施年度末までに認定を受けることが確実と見込まれること
- 特別栽培農産物に係る表示ガイドライン等に基づき都道府県が定める慣行レベルと比べて、化学肥料及び農薬の施用及び使用量を低減した栽培方法の2年以上の取組実績があること
対象経費
補助対象となる経費は以下のとおりです。公募要領で定める範囲を超える経費は対象外となるため、申請時には個別に確認してください。
- スマート農業技術に関する農業機械、設備等(自動操舵システム、直進アシスト機能付き農機、無人自動走行農機、草刈機(自律走行式又はリモコン式)、小型農業ロボット、農業用ドローン、水管理システム、環境モニタリング装置、可変施肥機能を有する農機等)
- 本事業の有機農業の拡大目標の達成に必要な範囲内での農業機械、加工・保管設備その他有機農業の拡大に必要な機械、設備等
- 資材費(堆肥、土壌改良剤等の土づくりのための資材、防虫ネット、防草シート、出荷用コンテナ等)
- 植栽費(苗木代、重機のレンタル料等)
- 圃場整備費(土壌土層改良費、園内道等の整備費、傾斜の緩和に係る経費、排水路の整備費等)
- 設備設置費(果樹棚、茶棚、雨除け設備、用水・かん水施設等)
- 実証ほ場の設置・運営(借上費・資材費)
- 土壌分析代(役務費)
- 専門家による技術指導代(謝金)
- 会議の開催(会場借料、委員旅費)
- 先進事例の視察(調査等旅費)
- 試作品の材料代(原材料費)
- 商談会への出展(情報発信費)
◼︎ 対象外となる経費・事項
- 農業以外の用途にも使用可能な汎用性の高い機械、設備等(例:運搬用トラック、フォークリフト、ショベルローダー、バックホー、パソコン等)
- 本事業の業務を実施するために雇用した者に支払う経費のうち、労働の対価として労働時間及び日数に応じて支払う経費以外の経費
- 拠点となる事務所の借上経費
- 都道府県又は市町村職員の人件費
- 毎年度必要となる資材の購入に係る経費(肥料、種子、マルチなど営農する中で毎年度新たに購入する必要がある資材。栽培実証等の営農以外の目的で使用する資材を除く)
- 本事業の実施に要した経費であることを証明できない経費
- 本事業を実施する上で必要とは認められない経費
申請スケジュール
事業実施期間は事業実施年度の翌々年度までに成果目標を達成となっています。スケジュールがタイトなため、検討中の事業者は早めに準備を始めることをおすすめします。
審査のポイント
審査では、以下の観点から事業計画が評価されます。申請書の記載にあたっては、これらの項目を意識して具体的な内容を盛り込むことが重要です。
- ◼︎ みどり交付金共通項目:事業実施計画の有効性・実現性等、特定区域の設定、労働環境改善、継続事業の観点から審査される。事業計画の具体性と実現可能性、効果の高さが重要となる。
- ◼︎ 法との関連性:事業の参加者に環境負荷低減事業活動実施計画、特定環境負荷低減事業活動実施計画、基盤確立事業実施計画の計画認定者等が含まれている場合にポイント加算される。みどり認定等の取得状況が評価される。
- ◼︎ 面積の拡大目標:基準年から目標年度までに増加させる有機農業面積の大きさに応じてポイントが加算される。より大幅な面積拡大を目指す計画が高く評価される。
- ◼︎ 拡大面積の現況値:基準年の前年度から基準年にかけて実際に増加した有機農業面積の実績に応じてポイントが加算される。過去の拡大実績が評価される。
- ◼︎ 販売数量・販売額・収量・労働生産性の向上:有機農産物等の販売数量・販売額の増加率、10a当たり収量の向上、労働生産性の向上のいずれかを選択し、目標の高さと過去の実績に応じてポイントが加算される。定量的な成果目標の設定が重要。
- ◼︎ 実需者との連携:栽培開始前に結ばれた契約の割合や、拡大分を含む出荷数量等に関する契約の有無、実需者との販売計画の策定状況が評価される。販路の確保状況が重要となる。
- ◼︎ 有機農業の推進に向けた行政施策:都道府県では有機農業担当普及員の配置、農業大学校での有機農業専門コース設置、指導体制整備等が評価される。市町村では有機農業実施計画の策定、栽培管理協定の締結等が評価される。
- ◼︎ スマート農業技術に対応するための生産方式の革新:生産方式革新実施計画の認定を受けている者又は受ける予定の者が事業に参加し、事業内容が当該計画の内容に合致している場合に評価される。革新計画認定者の参加割合により配点が変わる。
- ◼︎ 認定等された輸出の取組の有無:フラッグシップ輸出産地として認定された産地の取組や、有機農産物を含む輸出事業計画の認定を受けている場合に評価される。輸出への取組姿勢が評価される。
◼︎ 加点項目
以下のいずれかに該当する事業者は、審査において加点の対象となります。
- 目標の高さに応じて採択時のポイントが加算
- みどり認定(環境負荷低減事業活動実施計画等)の取得
- 面積拡大目標の高さ(基準年から目標年度までの増加面積)
- 過去の面積拡大実績
- 販売数量・販売額・収量・労働生産性向上の高い目標設定
- 実需者との契約締結や販売計画の策定
- 都道府県:有機農業担当普及員の全普及センターでの配置、農業大学校での有機農業専門コース設置、指導体制・相談制度の整備
- 市町村:有機農業実施計画の策定・公表、栽培管理協定の締結
- 生産方式革新実施計画の認定取得(革新計画認定者の参加割合に応じて配点)
- フラッグシップ輸出産地の認定、有機農産物輸出事業計画の認定
活用にあたっての注意点
本補助金を活用するにあたり、特に留意しておきたいポイントは以下のとおりです。
- スマート農業技術に関する機械等の導入が必須要件
- 事業実施主体あたりの上限額ではなく、都道府県・市町村等が作成する1事業実施計画あたりの上限額
- 当該年度において有機農業拠点創出・拡大加速化事業(オーガニックビレッジ)の支援を受ける市町村及び協議会は「1の(2)有機農業の拡大に向けた取組」及び「2有機農業拡大支援」の助成を受けることができない
- 事業実施計画書作成主体は都道府県、市町村又はこれら地方公共団体を構成員とする協議会で、特定区域の設定を行う意向を有し、「有機農業と地域振興を考える自治体ネットワーク」に加盟している必要がある
- 主要な事業対象品目の有機農業の取組面積が一定規模以上である必要(稲10ha、麦・大豆・雑穀5ha、いも類・露地野菜2ha、茶・果樹・施設園芸1ha等、中山間地域等は半分)
- 成果目標として事業対象品目の有機農業の取組面積を2ha以上又は10%以上拡大することが必須
- 申請書は連名とするか、事業実施主体ごとに申請書の鑑を付ける必要
補助金の申請・活用についてご相談はこちらから
「この補助金を自社で活用できるか知りたい」「申請書作成を任せたい」「他にどんな補助金が使えるか相談したい」など、お気軽にお問い合わせください。初回のご相談は無料です。
無料相談のお申し込み※本記事の内容についてのご質問もお受けしています