49歳以下の認定新規就農者・認定農業者を対象に、経営資源の有効利用、円滑な経営移譲、経営発展に向けた取組を支援。国費上限600万円で、機械・施設の修繕・導入、法人化費用、専門家活用等の経費を補助。補助率は国1/3~1/2、都道府県1/6~1/4。ポイント制による競争性審査で採択決定。本記事では、制度の概要・補助率・対象経費・申請スケジュール・注意点までを公募要領ベースで整理してお届けします。
- 実施機関
- 農林水産省
- 対象地域
- 全国
- 事業実施期間
- 事業実施年度から3年後の年度まで
- 補助上限額
- 600万円
- 補助率
- ①経営資源の有効利用、②円滑な経営移譲:国1/3以内、都道府県1/6、③経営発展:国1/2以内、都道府県1/4
制度の目的と背景
次世代の農業を担う新規就農者の育成・確保を図るため、親元就農を含め、円滑な経営継承・経営発展に向けた取組を後押しします。
補助率と上限額
本補助金の補助率と上限額は以下のとおりです。支援枠や取り組み内容によって金額が分かれているため、自社の計画に応じて確認が必要です。
◼︎ 補助率
①経営資源の有効利用、②円滑な経営移譲:国1/3以内、都道府県1/6、③経営発展:国1/2以内、都道府県1/4
◼︎ 補助上限額
600万円
◼︎ 内訳・支援枠
①経営資源の有効利用に向けた取組(事業費25万円以上):国1/3以内・都道府県1/6、②円滑な経営移譲に向けた取組:国1/3以内・都道府県1/6、③経営発展に向けた取組(事業費50万円以上の機械・施設等):国1/2以内・都道府県1/4、全体で国費上限600万円
対象となる事業者
本補助金の対象となる事業者は以下のとおりです。申請前に自社が要件を満たしているかご確認ください。
- 独立・自営就農する49歳以下の認定新規就農者
- 独立・自営就農する49歳以下の認定農業者
- 将来像が明確化された地域計画若しくは目標集積率が現状集積率を上回っている地域計画に位置付けられ、又は位置付けられることが確実と見込まれること
- 令和5年度以降に農業経営を開始した個人・法人であること(法人の場合は当該農業経営の主宰権を有する役員に就農時の年齢が原則50歳未満、かつ、令和5年度以降に農業経営を開始した者を含む法人に限る)
- 青色申告を行うこと
- 機械・施設の取得費用等について、金融機関から融資を受けていること
対象経費
補助対象となる経費は以下のとおりです。公募要領で定める範囲を超える経費は対象外となるため、申請時には個別に確認してください。
- 経営資源の有効利用:機械・施設等の経営資源を継承・利用するために必要となる修繕、移設、撤去等の取組に要する経費(事業費25万円以上)
- 円滑な経営移譲:法人化、専門家の活用等の農業経営の移譲に向けた取組に要する経費(定款の認証料等の法人設立費用、専門家謝金、旅費等)
- 経営発展:機械・施設や家畜の導入、果樹・茶の新植・改植、機械リース等に要する経費(事業費50万円以上の機械・施設等)
◼︎ 対象外となる経費・事項
- 農業経営以外の用途に容易に供されるような汎用性の高い機械・施設等
- 経営移譲者等が所有する資産の購入又は賃貸借に係る経費等
- 経営開始資金、経営発展支援事業等との併用
申請スケジュール
事業実施期間は事業実施年度から3年後の年度までとなっています。スケジュールがタイトなため、検討中の事業者は早めに準備を始めることをおすすめします。
審査のポイント
審査では、以下の観点から事業計画が評価されます。申請書の記載にあたっては、これらの項目を意識して具体的な内容を盛り込むことが重要です。
- ◼︎ 研修:農業生産に関して自らが取り組もうとする作目を含む研修を概ね1年以上(概ね1,200時間以上)受けていることで1~2ポイント。さらに販売・流通・マーケティングの知識、帳簿や財務諸表の作成、労務管理等の農業経営に関する研修を受けていることで3ポイントまで加算される。より専門的で包括的な研修を受けているほど高得点となる。
- ◼︎ サポート体制:地域サポート計画の策定状況で1ポイント、普及指導センターの普及指導活動の対象者として選定されていることで2ポイント、地域サポート計画の支援分野の全てについて担当機関・部署が明確になっていることで3ポイント。地域の支援体制が充実しているほど高得点となる。
- ◼︎ 経営管理の合理化:圃場等に農作業の記録(施肥量、農薬散布量、作業時間等)を毎日つけることで1ポイント、GAP認証等を取得することで3ポイント。経営の透明性・合理性を示す取組が評価される。
- ◼︎ 経営の発展:目標年度の経営規模の増加割合が成果目標で定める基準より高いほど高得点。50ポイント以上高い場合は5ポイント、40ポイント以上で4ポイント、30ポイント以上で3ポイント、20ポイント以上で2ポイント、10ポイント以上で1ポイント。将来の経営拡大意欲と実現可能性を重視。
- ◼︎ 法人化:農業経営を法人化している又は事業実施年度内に法人化する場合は5ポイント、目標年度までに農業経営を法人化する場合は3ポイント。早期の法人化ほど高く評価される。
◼︎ 加点項目
以下のいずれかに該当する事業者は、審査において加点の対象となります。
- 家族経営協定を書面で締結している(1ポイント)
- 農業版事業継続計画(BCP)を策定している(1ポイント)
- データを活用した農業を実践する(2ポイント)
- みどりの食料システム法に基づく環境負荷低減事業活動実施計画又は特定環境負荷低減事業活動実施計画の認定を受ける(2ポイント)
- 都道府県ごとに設定される都道府県加算ポイント
活用にあたっての注意点
本補助金を活用するにあたり、特に留意しておきたいポイントは以下のとおりです。
- 経営開始資金、経営発展支援事業等との併用は不可
- 地域計画に掲げられた農地の目標集積率が高い(8割以上等)地域に位置付けられる必要がある
- 事業実施年度の3年後の年度までに農業経営改善計画の認定を受け、かつ経営規模を一定割合以上増加させる成果目標の達成が必要
- ポイントの高い者から採択される競争性審査のため、各項目で高得点を獲得することが重要
- 経営移譲者等が整備した機械・施設等の経営資源は、事業実施年度の3年後の年度までに新規就農者に譲渡(農地などの不動産の場合は貸付けも可)する必要がある
- 研修中など経営開始前であっても共同申請可能だが、事業実施年度の翌年度までに経営を開始し、事業要件を満たす必要がある
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