商業集積地やサプライチェーンに関連する複数の中小企業・小規模事業者等(10者以上のグループ構成員)が連携してITツールを導入する事業を支援。基盤導入経費(インボイス対応類型相当)は補助率3/4(小規模事業者は4/5)で上限350万円、消費動向等分析経費は補助率2/3で50万円×グループ構成員数、その他経費は補助率2/3で上限200万円。補助上限額は全体で3,000万円。本記事では、制度の概要・補助率・対象経費・申請スケジュール・注意点までを公募要領ベースで整理してお届けします。
- 実施機関
- 中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局(TOPPAN株式会社)
- 対象地域
- 全国
- 受付期間
- 2026-03-30〜
- 事業実施期間
- 交付決定日~6ヶ月間程度
- 補助上限額
- 3,000万円
- 補助率
- 基盤導入経費50万円以下部分: 3/4(小規模事業者は4/5)、基盤導入経費50万円超~350万円部分: 2/3、消費動向等分析経費: 2/3、その他経費: 2/3
制度の目的と背景
本事業は、商業集積地やサプライチェーンに関連する複数の中小企業・小規模事業者等が連携し、ITツールを導入することにより生産性向上を図る取組みに対して、「通常枠」よりも補助率を引き上げ、複数者へのITツールの導入を支援するとともに、効果的に連携するためのコーディネート費や取組みへの助言を行う外部専門家に係る謝金等を含めて支援することを目的とする。
補助率と上限額
本補助金の補助率と上限額は以下のとおりです。支援枠や取り組み内容によって金額が分かれているため、自社の計画に応じて確認が必要です。
◼︎ 補助率
基盤導入経費50万円以下部分: 3/4(小規模事業者は4/5)、基盤導入経費50万円超~350万円部分: 2/3、消費動向等分析経費: 2/3、その他経費: 2/3
◼︎ 補助上限額
3,000万円
◼︎ 内訳・支援枠
複数者連携デジタル化・AI導入枠: ①基盤導入経費(インボイス対応類型相当)グループ構成員1者当たり上限350万円(50万円以下部分は補助率3/4・小規模事業者は4/5、50万円超部分は補助率2/3)、②消費動向等分析経費(50万円×グループ構成員数、補助率2/3)、③その他経費(上限200万円、補助率2/3)、全体上限額3,000万円
対象となる事業者
本補助金の対象となる事業者は以下のとおりです。申請前に自社が要件を満たしているかご確認ください。
- 日本国内で法人登記され日本国内で事業を営み、かつ日本国内に本社及び補助事業の実施場所を有する法人であること
- 補助事業グループは労働生産性の向上を目的とし、同一の補助事業を実施するグループ構成員10者以上のまとまりであること
- 製造業(ゴム製品製造業を除く)・建設業・運輸業: 資本金3億円以下または従業員300人以下
- 卸売業: 資本金1億円以下または従業員100人以下
- サービス業(ソフトウェア業・情報処理サービス業・旅館業を除く): 資本金5千万円以下または従業員100人以下
- 小売業: 資本金5千万円以下または従業員50人以下
- ゴム製品製造業: 資本金3億円以下または従業員900人以下
- ソフトウェア業・情報処理サービス業: 資本金3億円以下または従業員300人以下
- 旅館業: 資本金5千万円以下または従業員200人以下
- GビズIDプライムを取得していること
- 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の「★ 一つ星」又は「★★ 二つ星」いずれかの宣言を行うこと
対象経費
補助対象となる経費は以下のとおりです。公募要領で定める範囲を超える経費は対象外となるため、申請時には個別に確認してください。
- 基盤導入経費: 会計・受発注・決済の機能を保有するソフトウェア(AIを含む)とそのオプション・役務、PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機・POSレジ・モバイルPOSレジ・券売機
- 消費動向等分析経費: 消費動向分析システム・経営分析システム・需要予測システム・電子地域通貨システム・キャッシュレスシステム・生体認証決済システム等のソフトウェアとそのオプション・役務、AIカメラ・ビーコン・デジタルサイネージ等のハードウェア
- その他経費: 代表事業者が補助事業グループを取りまとめるために要する経費(人件費・消耗品費・備品費・印刷費・広報費・通信運搬費・会議費・資料購入費・補助員人件費)、外部専門家による導入・活用支援にかかる費用(外部専門家にかかる謝金・旅費)
◼︎ 対象外となる経費・事項
- すでに購入済のソフトウェアに対する増台や追加購入分のライセンス費用、また既存ソフトウェアに対するリビジョンアップのための費用
- 製品が完成されておらず、スクラッチ開発が伴うソフトウェア。過去に特定顧客向けに開発したコード(開発実績)を他の顧客に再利用し、その顧客の要件に合わせ追加スクラッチ開発を伴うもの
- 大幅なカスタマイズが必要となるもの
- 恒常的に利用されないもの(緊急時等の一時的利用が目的で生産性向上への貢献度が限定的なもの)
- 補助事業者の顧客が実質負担する費用がソフトウェア代金に含まれるもの(補助事業者にとっての売上原価に相当すると事務局が判断するもの)
- 料金体系が従量課金方式のもの
- 対外的に無償で提供されているもの
- 交付決定前に実施した取組み
- リース・レンタル契約のITツール(サイバーセキュリティお助け隊サービスを除く)
- 中古品
- 補助金申請、報告に係る申請代行費
- 公租公課(消費税)
申請スケジュール
事業実施期間は交付決定日~6ヶ月間程度となっています。スケジュールがタイトなため、検討中の事業者は早めに準備を始めることをおすすめします。
審査のポイント
審査では、以下の観点から事業計画が評価されます。申請書の記載にあたっては、これらの項目を意識して具体的な内容を盛り込むことが重要です。
- ◼︎ 事業面からの審査項目:複数の中小企業・小規模事業者等の生産性向上のために効果的なITツールが導入されているか(ITツールの目的と効果の理解)、生産性向上のために、ITツール導入後の効果的な活用まで考えられているか(ITツール導入後の活用計画)、商業集積地・サプライチェーンの課題を理解し、改善に向けた具体的な問題意識を持っているか(商業集積地・サプライチェーンの課題の理解)、データ連携による事業者横断的なデータ共有・分析等を取り入れ、継続的な生産性の向上と事業の成長に取り組んでいるか(複数者の連携)、生産性向上率の目標達成に向けて、グループ構成員が外部専門家からの助言を受け、ITツールによって取得したデータの活用状況を定期的に確認しながら、データを活用した取組みの改善を行うこととしているか(生産性を高める取組み)
- ◼︎ 計画目標値の審査:労働生産性の向上率について、事業計画期間において労働生産性を年平均成長率5パーセント以上とすること(ただし、IT導入補助金2024、IT導入補助金2025の通常枠又は複数社連携IT導入枠にて交付決定を受けた事業者が本事業のグループ構成員に含まれる場合、労働生産性を年平均成長率6パーセント以上とすること)。生産性向上の目標が実現可能かつ合理的であることを審査する。
- ◼︎ 政策面からの審査項目:生産性向上及び働き方改革を視野に入れ、国の推進する関連事業に取り組んでいるかを審査する。政府の政策方針との適合性や、地域経済への波及効果、働き方改革への貢献度等を総合的に評価する。
◼︎ 加点項目
以下のいずれかに該当する事業者は、審査において加点の対象となります。
- 複数者・地域の生産性向上のためにより新規性のある取組み
- 本事業を通じて得られた知見やノウハウ、データマーケティングの手法などを地域で普及啓発し、地域の生産性向上につなげる取組み
- 本事業を通じて得られたデータを可能な範囲でオープン化し、地域の課題解決に繋げていく取組み
- 地域の自治体、金融機関、公共機関、ITベンダー、観光団体、医療、介護、福祉、教育、防災、防犯関係者などと連携し、地域課題の解決を目指す取組み
- 本事業を実施する以前に、デジタル化の取組みを実施しており、既存の取組みと合わせて本事業を行うことで、事業の加速化を図る取組み
活用にあたっての注意点
本補助金を活用するにあたり、特に留意しておきたいポイントは以下のとおりです。
- 交付決定前に契約、発注、納品、支払い等を行った場合は、補助金を受けることができない
- 支払いの事実に関する客観性の担保のため、IT提供事業者及び外部専門家への支払いは原則銀行振込又はクレジットカード1回払いのみとする。購入するグループ構成員名義ではない口座より支払っている場合、補助金を受けることはできない
- グループ構成員は10者以上であること。同一事業者が複数の支店等にITツールを導入する場合は、事業者単位で1者の構成員とみなす
- 交付申請の際、代表事業者は、必ず申請者自身が管理する1つの携帯電話番号を登録すること(登録された携帯電話番号宛てにSMSにて、申請に必要なパスワード等の通知を行う)
- 労働生産性について、事業計画期間において労働生産性を年平均成長率5パーセント以上とすること(IM導入補助金2024、IT導入補助金2025の通常枠又は複数社連携IT導入枠にて交付決定を受けた事業者が本事業のグループ構成員に含まれる場合、労働生産性を年平均成長率6パーセント以上とすること)
- IT導入補助金2025の通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型及び電子取引類型)及び複数社連携IT導入枠で交付決定を受けた事業者(セキュリティ対策推進枠を除く)は、交付決定日から12ヶ月以内に本事業の申請を行うことはできない
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