石川県では、石川県内企業を中心とした2者以上の連携体が実施するDX・GX分野の製品・サービス開発を支援。補助率3分の2以内、上限3000万円で最長3年間の研究開発・事業化を一貫支援。デジタル技術活用や2050年カーボンニュートラル対応分野が対象。令和8年4月20日から6月12日まで公募。本記事では、制度の概要・補助率・対象経費・申請スケジュール・注意点までを公募要領ベースで整理してお届けします。
- 実施機関
- 公益財団法人石川県産業創出支援機構
- 対象地域
- 石川県
- 受付期間
- 2026-04-20〜2026-06-12
- 事業実施期間
- 交付決定日(令和8年9月予定)から最長で3年(令和11年8月予定)まで。事業が年度をまたぐ場合は、年度ごとに補助金の交付手続きを行う
- 補助上限額
- 3,000万円
- 補助率
- 補助対象経費の3分の2以内
制度の目的と背景
近年、社会のデジタル化やカーボンニュートラルへの対応、コロナ禍がもたらした働き方の多様化などの時代の潮流や、将来にわたる人口減少、不安定なグローバルリスクなど様々な課題が山積し、社会・経済情勢は大きく変化しています。このような新たな時代の潮流や課題を本県産業の原動力として取り組む必要があります。そこで「成長戦略ファンド【研究開発支援事業】」では、社会・経済情勢の変化の中で勝ち筋を見出し、他のモデルともなりうる新たな挑戦をする県内企業を飛躍・成長へと導くため、複数年にわたる研究開発・製品開発から事業化までを一貫して支援します。
補助率と上限額
本補助金の補助率と上限額は以下のとおりです。
◼︎ 補助率
補助対象経費の3分の2以内
◼︎ 補助上限額
3,000万円
◼︎ 内訳・支援枠
DX製品・サービス開発支援及びGX製品・サービス開発支援の2区分。いずれも補助率3分の2以内、上限3000万円、最長3年間
対象となる事業者
本補助金の対象となる事業者は以下のとおりです。申請前に自社が要件を満たしているかご確認ください。
- 石川県内に本社のある企業を代表者(幹事企業)とする県内外の企業又は大学・公設試等による2者以上の連携体
- 石川県内に事業本部又はそれに類する組織を持つ企業を代表者(幹事企業)とする場合(補助対象事業の開発成果の事業展開が当該組織で行われる場合に限る)
- 石川県内に開発部門を有する企業を代表者(幹事企業)とする場合(補助対象事業の研究開発が当該開発部門で主体的に行われ、かつ開発成果が本県の産業政策上有効と認められるもの)
- 連携体内において、補助対象事業の実施に関して、役割分担が明確、かつ、その内容について合意済みである必要がある
- 建物の建設等を目的とした共同企業体、製品の販売のみを目的とした商社・代理店等、随時発生する物品等の購入先、応募企業と連携体企業との間で株式の50%超の保有がある企業は構成企業として認められない
対象経費
補助対象となる経費は以下のとおりです。公募要領で定める範囲を超える経費は対象外となるため、申請時には個別に確認してください。
- 直接人件費:研究開発に直接関与する者の作業時間に対する人件費(原則、健保等級に対応する等級単価×作業時間で計算)
- 旅費:当該事業において必要な旅費
- 機械装置費:機械装置及び工具機器の購入、試作、改良又は借用に要する経費。専用ソフトウェア、情報システム構築等も対象。税抜単価10万円を超えるソフトウェア・ライセンスも含む
- クラウドサービス利用費:専ら本事業のために利用するクラウドサービスやWEBプラットフォームの利用費。サーバーの領域を借りる費用、サーバー上のサービス利用費等。自社の他事業と共有する場合は対象外
- 材料・消耗品費:試作品用の材料や消耗品の購入に要する経費(補助対象期間内分のみ)
- 外注委託・評価分析費:自社内で加工・製作困難な部材の外部依頼、要求仕様のみ示しての外部製造委託、試験・検査等の評価分析に要する経費。外注・委託成果物が補助事業者に帰属しない場合は対象外
- 技術指導費:連携体以外からの外部の技術指導員・講師等に支払う謝金
- 知的財産権関連経費・認証取得費:事業化にあたり必要となる特許権等の知的財産権取得に要する弁理士又は弁護士の手続代行費用や翻訳料等、事業化に必要な認証取得のためのコンサルティング、翻訳、通訳等に要する経費
- 大学・公設試等共同研究費:連携体の大学・公設試等との共同研究契約書等に基づく共同研究費
- マーケティング調査費:製品開発・サービスに係るマーケティングの調査に直接要する費用(展示会の出展料、ブース装飾費、保険料、運送料等、通訳・翻訳等経費、展示会等配布用パンフレット・ポスター等作成費、広告媒体活用経費、デザイン開発・販促イベント等の企画・コンサルティング経費)
◼︎ 対象外となる経費・事項
- 交付決定日よりも前に発注、購入、契約等を実施したもの
- 証拠資料等によって支払金額が確認できない経費(原則、振込による支払済の証拠書類が必要。相殺、手形決済は不可)
- 販売を目的とした製品、商品等の生産に要する経費(サンプル出荷等、評価を受けることを目的として製造原価と補助相当額の差額以下での譲渡は相談により認められる場合あり)
- 補助金の交付申請、実績報告、請求に関する書類作成に要する人件費
- 役員報酬(給与相当額を除く)
- 補助対象事業に関連しない用務に要する旅費
- 連携体及びグループ会社からの物品調達(原価相当での調達は相談により認められる場合あり)
- 顧問契約としての技術指導費
- メール、電話等、現地での指導を伴わない技術指導費(TV会議等により実地と同等の指導ができる場合は除く)
- 特許庁など日本の行政庁に納入される出願手数料等
- 電話代、インターネット利用料金等の通信費
- 振込等手数料(代引手数料を含む)
- 公租公課(消費税、地方消費税額等)
- 文房具などの事務用品等の消耗品代
- 汎用性があり、目的外使用になり得るもの(事務用のパソコン、プリンタ、文書作成ソフトウェア、タブレット端末、スマートフォン、デジタル複合機等の購入費・自動車等車両の購入費・修理費・車検費用など)
- 中古品(新品の購入が金額や納期の観点で著しく不適当な場合は認められる場合あり)
- 公的な資金の用途として社会通念上、不適切と認められる経費
申請スケジュール
受付期間は2026-04-20から2026-06-12までです。事業実施期間は交付決定日(令和8年9月予定)から最長で3年(令和11年8月予定)まで。事業が年度をまたぐ場合は、年度ごとに補助金の交付手続きを行うとなっています。スケジュールがタイトなため、検討中の事業者は早めに準備を始めることをおすすめします。
審査のポイント
審査では、以下の観点から事業計画が評価されます。申請書の記載にあたっては、これらの項目を意識して具体的な内容を盛り込むことが重要です。
- ◼︎ 目標の妥当性・明確性:目的やビジョンを明確に説明し、その意義や効果を示しているか。研究開発の目的が具体的かつ測定可能な形で設定されており、社会的・経済的なインパクトが明確に説明されているかが評価される。目標設定の根拠となる市場分析や技術動向の把握度合いも重要な評価ポイントとなる。
- ◼︎ 新規性・革新性:新しい価値創出や、ビジネス変革をもたらすものか。既存技術や製品・サービスとの差別化要因が明確に示されており、技術的・商業的な新規性が具体的に説明されているかが評価される。従来の課題解決方法とは異なる革新的なアプローチが提案されているかどうかが高得点のポイントとなる。
- ◼︎ 課題及び解決方法の妥当性:目標に対して、適切な課題設定をしており、その解決方法が妥当か。技術的課題の分析が的確で、それらを解決するための具体的な手法やアプローチが論理的に構築されているかが評価される。研究開発の各段階における課題とその解決策が体系的に整理され、実現可能性が高い計画となっているかが重要な判断基準となる。
- ◼︎ 実現可能性・実施体制:スケジュールや実施体制が妥当か。研究開発から事業化までの各段階において、必要な人材・設備・技術が確保されており、連携体各社の役割分担が明確に定められているかが評価される。プロジェクト管理体制、品質管理体制、リスク管理体制が適切に構築されており、計画通りの成果創出が期待できる実施体制となっているかが高評価のポイントとなる。
- ◼︎ 事業化計画の妥当性:製品規格、知財戦略、想定する市場、販売戦略、体制、スケジュール等が妥当か。市場規模の分析、競合他社の動向把握、販売チャネルの確保、価格設定の根拠、事業収支計画の妥当性が総合的に評価される。知的財産権の取得・活用戦略、製造・品質管理体制の構築計画、マーケティング戦略の具体性と実現可能性が高得点獲得の鍵となる。
- ◼︎ 地域産業への貢献:地域経済の活性化に資する計画であるか。石川県内における雇用創出効果、地域サプライチェーンの活用度合い、地域の中小企業との連携可能性、地域の産業集積への波及効果が評価される。地域の特色や強みを活かした事業展開が計画されており、他地域のモデルケースとなり得る取り組みであるかどうかが重要な評価基準となる。
◼︎ 加点項目
以下のいずれかに該当する事業者は、審査において加点の対象となります。
- 経営革新計画等の認定事業者は加点の対象となる(認定書の写しの提出が必要)
- パートナーシップ構築宣言(ポータルサイト:https://www.biz-partnership.jp/index.html)事業者は加点の対象となる(宣言内容が記載された文書の提出が必要)
活用にあたっての注意点
本補助金を活用するにあたり、特に留意しておきたいポイントは以下のとおりです。
- 本補助金の交付を受けようとする事業が、当該実施期間中に他の補助金等による財政支援を受けている又は受ける予定の場合、交付の対象とならない
- 外注委託・評価分析費と大学・公設試等共同研究費は、事業期間の全期間を通じた補助対象経費総額の1/2以内で計上可能
- 直接人件費の事業期間全期間を通じた補助金交付額は1,500万円が上限(補助対象経費としては2,250万円)
- マーケティング調査費の事業期間全期間を通じた補助金交付額は300万円が上限(補助対象経費としては450万円)
- 応募書類の申請方法は、電子申請「jGrants(じぇいぐらんつ)」での申請のみ。GビズID(gBiz IDプライム)の取得が必要(申請から取得まで2~3週間要する)
- 勤務日と支払日の両方が、同一年度の補助対象期間内である必要がある
- 見積書→発注書→納品書→請求書→支払証明書の時系列においては原則、全て同年度内で完了する必要がある
- 本質的な部分(研究開発要素)を連携体以外へ外注することはできない
- 補助事業終了後5年間、事業化等の状況について報告書の提出が必要
- 税抜単価50万円以上の機械等の財産は、処分制限期間(耐用年数)内に処分する場合は事前承認が必要
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