石川県では、石川県内企業が国等の競争的資金(NEDO、JST、AMED等)獲得のための応募申請に必要となるFS事業を支援。補助率は定額10/10、上限5000千円。申請後2年度以内に国プロに申請主体として申請することが要件。本記事では、制度の概要・補助率・対象経費・申請スケジュール・注意点までを公募要領ベースで整理してお届けします。
- 実施機関
- 公益財団法人石川県産業創出支援機構
- 対象地域
- 石川県
- 受付期間
- 2026-04-21〜2026-06-13
- 事業実施期間
- 交付決定日(令和8年9月予定)から最長で1年(令和9年8月予定)まで。事業が年度をまたぐ場合は、年度ごとに補助金の交付手続き(交付申請、実績報告等)を行う。見積書→発注書→納品書→請求書→支払証明書の時系列については原則、全て同年度内で完了する必要がある。
- 補助上限額
- 500万円
- 補助率
- 定額 10/10
制度の目的と背景
県内企業が単独もしくは産学官が連携して行う新技術・新製品の研究開発及び実用化研究を支援してきました。採択事業の中には、国等が公募・実施する大型プロジェクトへと発展し、当該企業の成長、ひいては本県産業の成長に寄与する事業も生まれています。「国プロジェクトステップアップ支援事業(以下、「国プロ FS 事業」)」では、この流れを一層加速させるため、県内企業が、国等の大型プロジェクトへ応募申請するために必要となる FS(フィジビリティ・スタディ)事業を支援し、もって県内産業全体を牽引する企業の育成を図ることを目的とします。
補助率と上限額
本補助金の補助率と上限額は以下のとおりです。
◼︎ 補助率
定額 10/10
◼︎ 補助上限額
500万円
◼︎ 内訳・支援枠
定額補助: 上限5,000千円・補助率10/10(定額)
対象となる事業者
本補助金の対象となる事業者は以下のとおりです。申請前に自社が要件を満たしているかご確認ください。
- 石川県内に本社のある企業(単独応募申請)
- 石川県内に事業本部又はそれに類する組織を持つ企業(補助対象事業の開発成果の事業展開が当該組織で行われる場合に限る)
- 石川県内に開発部門を有する企業(補助対象事業の研究開発が当該開発部門で主体的に行われ、かつ開発成果が本県の産業政策上有効と認められるもの)
- 上記企業を代表者(幹事企業)とする、県内外の企業又は大学・公設試等による2者以上の連携体
- 国プロに「従たる研究開発機関」や「アドバイザー」等として参画する場合は対象外
- 本補助事業終了後、2年度以内に国プロに、「申請主体」として申請することが要件
対象経費
補助対象となる経費は以下のとおりです。公募要領で定める範囲を超える経費は対象外となるため、申請時には個別に確認してください。
- 直接人件費:研究開発に直接関与する者の作業時間に対する人件費(原則、(健保等級に対応する等級単価)×(作業時間)で計算)。事業期間の全期間を通じた補助対象経費総額の1/3以内で計上可能
- 旅費:当該事業において必要な旅費
- 機械装置費:機械装置及び工具機器の購入、試作、改良又は借用に要する経費。専用ソフトウェア、情報システム構築等も補助対象。税抜単価10万円を超えるソフトウェア・ライセンスは機械装置費
- クラウドサービス利用費:専ら本事業のために利用するクラウドサービスやWEBプラットフォームの利用費のみ。サーバーの領域を借りる費用、サーバー上のサービスを利用する費用等が対象。サーバー購入費・サーバー自体のレンタル費等は対象外
- 材料・消耗品費:試作品用の材料や消耗品の購入に要する経費(補助対象期間内分のみ対象)
- 外注委託・評価分析費:外注加工・委託等に要する経費、競合技術等の動向やユーザーニーズの調査、試験・検査等の評価分析、特許調査等。外注・委託による成果物が補助事業者に帰属しない場合は補助対象外。「外注委託・評価分析費」+「大学・公設試等共同研究費」は事業期間の全期間を通じた補助対象経費総額の1/2以内で計上可能
- 技術指導費:連携体以外からの外部の技術指導員・講師等に支払う謝金
- 知的財産権関連経費・認証取得費:事業化にあたり必要となる特許権等の知的財産権の取得に要する弁理士又は弁護士の手続代行費用や翻訳料等の経費、事業化に必要となる認証を取得するためのコンサルティング、翻訳、通訳等に要する経費
- 大学・公設試等共同研究費:連携体の大学・公設試等との共同研究契約書等に基づく共同研究費
◼︎ 対象外となる経費・事項
- 交付決定日よりも前に発注、購入、契約等を実施したもの
- 証拠資料等によって支払金額が確認できない経費
- 販売を目的とした製品、商品等の生産に要する経費(ただし、サンプル出荷等、評価を受けることを目的として、製造原価と補助相当額の差額以下での譲渡であれば、認められる場合がある)
- 補助金の交付申請、実績報告、請求に関する書類作成に要する人件費
- 役員報酬(給与相当額を除く)
- 補助対象事業に関連しない用務に要する旅費
- 連携体及びグループ会社からの物品調達(ただし、原価相当での調達であれば補助対象経費として認められる場合がある)
- 顧問契約としての技術指導費
- メール、電話等、現地での指導を伴わない技術指導費(TV会議等により実地と同等の指導ができる場合は除く)
- 特許庁など日本の行政庁に納入される出願手数料等
- 電話代、インターネット利用料金等の通信費
- 振込等手数料(代引手数料を含む)
- 公租公課(消費税、地方消費税額等)
- 文房具などの事務用品等の消耗品代
- 汎用性があり、目的外使用になり得るもの(事務用のパソコン、プリンタ、文書作成ソフトウェア、タブレット端末、スマートフォン、デジタル複合機等の購入費・自動車等車両の購入費・修理費・車検費用など)
- 中古品(ただし、新品の購入が、金額や納期の観点で著しく不適当な場合は認められる場合がある)
- ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(ものづくり補助金)、サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金)等の設備導入が主体となる国プロ
申請スケジュール
受付期間は2026-04-21から2026-06-13までです。事業実施期間は交付決定日(令和8年9月予定)から最長で1年(令和9年8月予定)まで。事業が年度をまたぐ場合は、年度ごとに補助金の交付手続き(交付申請、実績報告等)を行う。見積書→発注書→納品書→請求書→支払証明書の時系列については原則、全て同年度内で完了する必要がある。となっています。スケジュールがタイトなため、検討中の事業者は早めに準備を始めることをおすすめします。
審査のポイント
審査では、以下の観点から事業計画が評価されます。申請書の記載にあたっては、これらの項目を意識して具体的な内容を盛り込むことが重要です。
- ◼︎ 事業目標の妥当性:社会の情勢や市場ニーズを反映させた内容となっているかを評価する。国プロFS事業の申請時点において必要な調査や予備試験を行っているかも重要な評価ポイント。市場動向や技術トレンドを踏まえた具体的な目標設定ができているかが問われる。
- ◼︎ 新規性・革新性:技術面で、新規性や革新性を有する高度な研究開発を行うものかを評価する。事業面で、新しい価値創出や、ビジネス変革をもたらすものかも重要な観点。既存技術との差別化ポイントや独自性を明確に示すことが高評価につながる。
- ◼︎ 課題及び解決方法の妥当性:目標に対して、適切な課題設定をしており、その解決方法が妥当かを評価する。技術的課題と解決アプローチの論理性、実現可能性を具体的に示すことが求められる。課題の本質を捉えた解決策の提示が重要。
- ◼︎ 実現可能性・実施体制:国プロ採択後のスケジュールや実施体制が妥当かを評価する。技術的実現性、人員配置、役割分担、必要な設備・環境の整備状況などを総合的に判断。無理のないスケジュール設定と適切な体制構築が評価される。
- ◼︎ 事業化計画の妥当性:国プロ終了後に想定する製品規格、知財戦略、想定する市場、販売戦略、体制、スケジュール等が妥当かを評価する。収益化までの道筋が明確で、市場規模や競合分析に基づいた現実的な事業計画であることが重要。
- ◼︎ 地域産業への貢献:地域経済の活性化に資する計画であるかを評価する。県内産業への波及効果、雇用創出効果、地域企業との連携可能性などを総合的に判断。地域特性を活かした取り組みであることが高く評価される。
- ◼︎ 国プロ申請に向けた、国プロFS事業の妥当性:国プロへの申請に対し妥当な内容であるか、申請に必要な取り組みであるかを評価する。対象となる国プロの要件を理解し、採択可能性を高める適切なFS内容になっているかが重要な判断基準となる。
◼︎ 加点項目
以下のいずれかに該当する事業者は、審査において加点の対象となります。
- 経営革新計画等の認定事業者は、加点の対象となる
- パートナーシップ構築宣言(ポータルサイト:https://www.biz-partnership.jp/index.html)事業者は、加点の対象となる
活用にあたっての注意点
本補助金を活用するにあたり、特に留意しておきたいポイントは以下のとおりです。
- 本補助金の交付を受けようとする事業が、当該実施期間中に他の補助金等による財政支援を受けている又は受ける予定の場合、交付の対象とならない
- 国プロに「従たる研究開発機関」や「アドバイザー」等として参画する場合は、本補助事業の対象とはならない
- 本補助事業終了後、2年度以内に国プロに「申請主体」として申請することが要件。期間内に国プロに申請しなかった場合、翌年度以降の成長戦略ファンドの研究開発事業における、補助金の申請は、減点の対象となる場合がある
- FS採択後、事業が想定通り進まなかった、目標としていた国プロが廃止となった等の場合は、速やかに事務局に相談し、指示に従う必要がある。内容によっては、補助事業の中止、補助金の一部もしくは全部の返還を求める場合がある
- 都道府県や市町村と、その外郭団体が実施する補助事金等は対象外
- 大学等が申請主体となる補助金等は対象外
- 応募書類の申請方法は、電子申請「jGrants(じぇいぐらんつ)」での申請のみ。GビズID(gBiz ID プライム)の取得が必要で、申請から取得まで2~3週間要する
- 必要書類が揃っていない場合は、審査対象とならない場合がある
- 勤務日と支払日の両方が、同一年度の補助対象期間内である必要がある(直接人件費)
- 本質的な部分(研究開発要素)を連携体以外へ外注することはできない
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